張りの仕事

椅子の張込にも色々と種類があります。
大きく分ければ、型を取って縫製したカバーを張り込む方法と、一枚の生地で包み込むように張りこむ方法です。
張りの仕事としては、後者のほうが圧倒的に難しいです。私たちの業界では、これをボウズ張りと呼んでいます。
なぜぞう呼ぶのか分かりません。お坊さんの頭のようにツルンとしてるから???
形が出来上がった縫製品で張る場合は、縫製のラインなどで基準が出来てますし、クッションとなるウレタンもそれに近い形をしています。それでも技術はいるのですが、基準があるので、ある程度の技術があれば均一な製品になります。時間の差はありますけれどね。

これは長さ1500mmあるベンチの座。
光を当てて、張りこんだラインを強調してみました。
綺麗な影が出来ていますね。
完成品はこちらです。
MONDOさんから写真拝借

ちなみにこの椅子。ついこの前食事をご一緒させていただいたツジデザイン一級建築士事務所が作った家に納品されたのですね。世の中つながっていると言うか、狭いと言うか・・。色んなところで、うちの椅子張りは見られていると言うことですね。
さて

こちらもそうです。
綺麗に丸く張りこまれています。
当たり前なのですが、きちんと「張り」込まれているので、布がたるむこともありません。
下手な例があると違いが分かりやすいのですが、皆さんも椅子を見られるときに一枚で貼られた座面を触ってみてください。張りの緩さで凸凹を隠したり、スポンジを薄くして凸凹を隠したりと言う椅子もよく見かけます。
関せ品はこちらです。
むげ工房さんから写真拝借

強く張り込んで、凸凹が出ないと言うのは、昨日今日のやっつけでは出来ない仕事です。
シワなんて、そもそもあるないという話の前に存在すら許されません。それが長年使ってもです。
バイクのシートも同じです。
バイクのシートの場合、型出しをして縫製をしても、張り込むテンションが悪いとシワの原因になります。
シワだけではなく、縫製のラインも崩れてきてしまいます。
この辺りは、1枚張りの技術を持っていると、より綺麗な仕上がりになります。
当社では「椅子張一級技能士」が責任持って張り込みをしております。
張りのご相談はいつでもどうぞ。