ノグチシートではバイクシート改造に使用するウレタンをメーカーに依頼して製造していることはこのブログで何度も書いてきました。
汎用のウレタンではノグチシートが考える理想のシートにならないため、コストはかかりますが、金型を製作してモールドウレタンブロックを作り、そのブロックを各種厚みにスライスしたものを使っています。
しかし、このウレタンを製造するための原材料が廃番となり、メーカーから生産ができなくなるかもという連絡がありました。
オリジナルウレタンでシートを製作して12-3年経ちますが、製造できなくなるかもと言う連絡を受けた時には少し考えてしまいました。
オリジナルウレタンでなければダカールスペックシートにはならないですし、性能が出ないものを使用しながらだましだまし仕事をするのも本意ではありません。なのでメーカーといろいろ相談し、金型を変更したり試作を繰り返してもらったところ、今まで通りのダカールスペックのウレタンを製作できることになりホッとしています。今のところ、このウレタンが手に入らなければ(衝撃吸収材T-NETも同じこと)バイク事業部はいったん閉鎖くらいに考えています。
また、DIYでシートを作ってみたいユーザーには素材のみでウリジナルウレタンを販売しております。ダカールスペックに必要な材料はすべて販売しておりますので、自分でやってみたいという方はぜひ頑張ってみてください。
以前ブログに書いたウレタンや加工方法などのリンクを貼っておきますので参考にしてください。
モールドウレタンの話
過去に書いたブログを読んでいただくと汎用ウレタンとオリジナルウレタンの違いが判るかと思います。
オリジナルウレタンの話
オリジナルウレタンだと、ワイヤーブラシややすりでこのようなきれいな肌に仕上げることができます。(きれいにできるかは、その人の器用さにもよりますけどね)
シートの作り方
このブログに書いてある通りに進めればダカールスペックのシートになります。
工程の一部を隠してもないです。ただ、全ての工程を丁寧に確実に行うことです。
アンコ抜きをする場合
ウレタンは削りすぎたら手直しができません。なので、低くする場合は慎重にやってください。削り過ぎたから新しくウレタンを貼ればいいという簡単なことではないのです。それをするには結構な手間をかけての修理が必要になります。
オリジナルウレタンはきめが細かいのと切削性が良いため、やすりやワイヤーブラシで形状が作りやすいです。道具は売っておりませんが、ダカールスペックシートを完成させられる衝撃吸収材T-NETはじめ、すべての材料を販売していますので宜しくお願いします。
以前より少々販売価格は上がりましたが、クオリティは以前のウレタンより上がっておりますのでご理解ください。
材料の販売はしておりますが、作業手順などは指導していませんし、質問を受けても詳しくはお答えできないのが現状です。
言葉での説明には限界があり、作り方をご理解いただくための説明に割く時間がありません。
過去ブログを見て読んでいただければ、大体ご理解いただけるのではないかと思います。
お客様からよく「ゲル」や「低反発ウレタン」についての質問を受けますが、この二つは世の中に広まる前からノグチシートで使用していました。材料そのものを否定するつもりはありませんし、それで快適に走っておられる方もいます。
しかし、ノグチシートではこれらの材料で作ったシートをダカールラリー、ツーリングなど様々なところで実際に試して、現状は使わないという判断をしています。衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンの組み合わせが今のところこれに勝るものが無いという状況です。
なぜそれが言えるのかと言うと、私自身がシートを作って海外のラリーを何度か走り、国内では長期のツーリングで試しているからなんです。実際に走って自分が快適だったかどうか。基本はそれだけです。自分が良いと思ったものをお客様に提案する。それだけのことです。それだけのことなのですが、「良い」という自分基準がただの自己満足にならないように日々様々な角度から自問自答しているところです。