ハイグリップシートカバーでヘラスラリー優勝!!!

少し前にノグチシートに遊びに来てくれたToni Mulecがギリシャで行われたヘラスラリーで優勝しました。
トニーとトニーを紹介してくれた友人の池町(2000のダカール2輪総合10位で今年のダカールでも完走)そして僕。

会社に来てくれた時に、手ぶらで帰ってもらうのもなんだなと思って、テスト中のグリップシートカバーを渡して「ハードエンデューとかモトクロスで試してみてよ」と伝えたんだけど・・
ハスクのラリーマシンに張り込んで「これからギリシャのラリーだ」ってインスタに上げていた。
グリップ強すぎて7日間のラリーで色々問題でないかなと思ったんだけど、

「大丈夫!このグリップすごく良いぞ」ってコメントが返ってきた。
だって、プロローグランでこのタイヤ・・・・
砂漠のラリーと違って、ギリシャの山岳地帯の高速林道を「ぶっ飛ばす」ラリーなので、ハイスピードに耐えうるグリップが必要なんだという。


そして気になるのがグリップシートの耐久性。
トップライダーの激しい走りを7日間支えたシートはどうなっているのか。
帰り支度で忙しいトニーに無理を言って写真を撮って欲しいとメッセージを送ったら。
「今フェリー待ちなんだ。バンに積んでしまったのでこんな写真だけど大丈夫?」
「僕が見たところ、シートカバーに破れやグリップ素材の欠損もないし、何よりまだまだ使えるよ」

と嬉しい返事が来た。


見る限り全く問題はないですね。
いよいよこのシートカバーは、もう少し広げて行っても良いかなと思えてきた。
ダカールラリーで15位に入り、ルーマニアクスでは2位、今回のヘラスラリーでは優勝と、いわゆる世界で活躍するトップライダーがモニターとなってテストしてくれる機会に恵まれたことに感謝しかないです。
たとえ悪い結果が出ても先に進めるし、良い結果が出た場合はさらに良い方向に行ける。
カバーの開発という今まであまりやってこなかった分野なので楽しいです。
ちなみに自分でも試しているのでその感想を少し。
グリップさせるためのパッチは薄い基盤の上に細かいヒダが108個並んでいて、そのヒダが前後左右の動きに追従しパンツにしっかりと刺さるので高いグリップ力を発揮しています。薄さとヒダの細かさのおかげで着座時にお尻にそれがあることを感じることがありません。普通に座るだけだとグリップ素材がそこにあることが分からないレベルです。
体重移動時にはひっかる感じは無いのですが、不意に振られたときや、急坂で体が遅れそうになる時も、お尻がずれないので足の踏ん張りがいつもより効きます。言葉で旨く伝えられないですが、自分でも気に入ってます。という事です。
トニー 優勝おめでとうございます。

 

 

タックロールのこと

座面の模様としてタックロールやダイヤキルトなどの装飾を施すことがあります。
タックロール

ダイヤ模様ですね。

縫製で凸凹を付けるパターンが一般的ですが、当社では高周波ウエルダーで上の写真のような防水性能を持った状態で溶着タックロールも可能です。

この写真のように 1-2-3と溶着用のバーを用意していたのですが、特に3は金型を作ったけど思ったような模様が得られなかったんです。
1の金型も作ったのですが(狙いは縫製の糸をイメージした)これもなんだかいまいちだったんです。
そんなに需要も無いけど、欲しいなと思っていました。
先日ふと「これを使えば欲しい模様が付けられるのでは」と閃いて、早速工作したらこれです。
やっと手に入りました。
僕は閃いたけど、こうした模様をつけているメーカーは、ずっと昔に同じことを思いついていたんだろうなと思います。

とにかくまた一つノグチシートのクオリティが上がったと思います。

 

 

COMBLE(コンブレ) というバー

少し前に、静岡に用事があったついでに、前から行ってみたかったバーに行きました。
名前は COMBLE
1991に亡くなった倉俣史郎が手掛けたバーです。
私も倉俣史郎という人を知ったのは無くなってからなのですが、この人のアクリルやアルミを使ったデザインが好きで、何より倉俣史郎が作った椅子がかっこいいんです。
回顧展があると聞けば観に行くことが多いです。
そして昨年このバーが復活しているという事を知り、早く行きたくてうずうずしていました。
そして、いよいよ行ける日が来たというわけです。
全部が倉俣史郎です。

カウンター椅子の脚をよく見てください。
床には4本の足が着いていますが、座面は3本の足で支えられています。
そんな椅子に座って飲むお酒の美味しいこと。
このバーのオーナーと少しお話もさせていただき、貴重なものを見せてもらいました。
このバーのイメージスケッチ。
亡くなる2年前。
このスケッチの椅子に座っていると思うとまた感動です。
さらに
赤発光ダイオードをワイングラス型のガラスで包んだ「SAMBA-M」
右は復刻されたもので、左は現存数もあまりないオリジナル。
こうして並べるとオリジナルの光りが淡く何とも言えず素敵なんです。
復刻版はまだ購入可能ですよといって、シェルフに向かったオーナーが、そこに置いてある復刻版のSAMBA-Mを点灯してくれました。
素敵ですね。
欲しいな。
これはもう買うしかない。というか、これなら買える。
というわけで届いた。
自宅でこれ見ながら、またコンブレバーに行かなきゃと思ってます。
しばらくは幸せな時間が続きそう

すべり止めのテスト

テイストオブツクバでの優勝経験もあり、ハードエンデューロにも精を出す友人に新素材のテストをお願いしました。
場所は成田モトクロスパーク。
これから走るという時に先ずは写真。
走行1時間後

走行2時間後とレポートが送られてきます。

”疲れてきてスタンディングができない時にシートにお尻を預けると、そこでお尻が固定されるから体が遅れない。それにフォームが崩れないからステップに荷重がかけやすい”
”とにかく今日みたいなマディな状態では十分すぎるほど効果があると思うよ”
最近よく聞くハードエンヂュ―ロ界での目標”タマイチ”に役立つアイテムになるんじゃないの。
と嬉しい感想。


3時間ほど練習をして、最後は高圧洗車機で洗浄試験。
高圧洗車でデカールが吹き飛ぶようにすべり止めの溶着がどうなるかも気になっていました。
至近距離で高圧攻撃。
結果から言えば合格。
何レース持つか分からないけど、1レースは確実に耐えられる。しかも性能は保ったまま。
5月にCGCに出場すると言っていたので、そこで優勝してもらおう。

 

 

ウエルダータグとすべり止め

当社のロゴや一部ショップ様のロゴをウエルダー(溶着)でシートカバーに取り付けをしています。
これですね。
耐久性などの問題は無く、現在はこの色と白、黒と3種類用意しています。

現場からサイド面にも大きなタグが溶着できないかという意見が出たので、試しに作ってみました。
それが使えるものかどうかも分からないし、そもそも国内のメーカーにお願いすると1回の注文がかなりの大量だったり、小口の場合は相当額のコストがかかることになります。
なので、直接海外のメーカーにコンタクトして、何度も何度も絵や寸法を送って試作ができました。
溶着するには素材や厚みなど結構シビアなので、英語でやり取りするために意図が上手く伝わらず、なぜこの厚みと素材が必要なのかをメーカーに理解してもらうのに苦労しました。

やはり黒地に白文字だと、黒生地の上なら違和感が無いのですが、こうして青の上に置くとどうかなって感じです。
これはこれで良いかなと思うし、まぁ好みは分かれるでしょうね。
いろいろ試してカラーバリエーションを増やすかもしれません。

さて、ロゴもニュースなのですが、今回の本題は以下です。
上の写真にもありますが、座面のすべり止めについて。

今回このウエルダータグを製作依頼のやりとりをメーカーとしている最中に、某所から宿題を貰っていたシートの滑り止めについてひらめきました。
今まで滑り止めというと、こうしたリブ加工が殆どでした。


しかし、すべり止め効果を持ったタグを作れば、座面に好きな枚数を配置できるし滑り止め効果もその模様で調整ができる。
なにより、リブ加工は見飽きたので新しいすべり止めが欲しいと思っていました。
とにかく作ってみないとわからないのでやってみようとしている矢先に、某所からの宿題は「もういらない」となってしまった。
しかし、思いついたアイデアをそのままにするのは、失敗した時のコストよりももったいなく感じたので製作してみました。
どんな模様にするか三日くらい悩んだけど、結局悩んでも答えが出ないので何枚か描いた絵の中から1枚選んでメーカーに送り製作依頼。
出来たよーと写真が届いた。
ベースをクリア(乳白)すべり止め部分を黒にした。
そして、早速シートに取り付け。




サイドのロゴと座面のすべり止め。
なんかすごく良い感じじゃないかと、休日の誰もいない会社で一人シートを作りながら興奮しまくり。
早速モトパンに履き替えブーツを履いて林道へ。
ハードなヒルクライムやマディなどまだまだ試すことはあるし、出来立てなので何が起きるか想像がつかない。

しかし、

ものすごいグリップ力なんです。

450のフル加速でもがっちりモトパンを掴んで離しません。



リブのように硬い違和感もなく、ソフトなのに粘りつくようなグリップ感。
自画自賛が相当入っているのは申し訳ないけど、こんなすべり止めは今までなかったと思う。KTMやハスクなどは座面に色違いでこうした加工を施していたけど、こんなすべり止めは無かったと思う。
一般的な使用というより、モトクロスやハードエンデューロ、しかも耐久性は1-2レース持つかなというレベルかなと思っています。
要はそれだけグリップ力のみに振ったパターンにしたんです。
いずれにしてもいろんなパターンも試してみたいのでしばらくテストします。
このままボツになるかもしれないし、スーパークロスやハードエンデューロでスーパースターが使うかもしれない。

とはいえ、溶着の仕上がりがいまいちで性能よりもそっちが気になりしばらく頭悩ませることになりますね。

いいんです、新しいことを始めるのは失敗しても楽しいものですから。