2025ダカールラリーのシート CRF450RALLY


今年もこの季節となりました。
2025用ダカールラリーのシート製作です。

2025ダカールラリーを走るホンダチームの5人のライダーそれぞれに合わせた
「ダカールスペック」シートを提供します。


写真でも分かるように形状がライダーの好みに合わせてあります。
世界ラリー選手権では今年ホンダがマニファクチャラーズチャンピオンとなりました。


2025のダカールは連覇が期待されます。

ノグチシートも今年で13年目のサポートとなります。
パートさん含めて7人の会社で、なかなか長くやってきたもんだと自分でも感心してしまうところです。
おかげさまで色々と知識と技術と、さらには素材も向上してハイクオリティなシートを一般のお客様にお届けできるようになりました。
2025ダカールでHRC復帰後4回目の優勝と連覇を強くお祈りします。

ダカールスペックシートの証

何年前なのか忘れてしまったけど、雑誌の取材を受けた時に手っ取り早くノグチシートの性能を説明する言葉として「ダカールスペック」という言葉を使った覚えがあり、それが記事として載ったのですが、その記事がどの雑誌だったのか思い出せない・・・
2020 2021 2024と過去3回ダカールラリーで優勝したHONDA CRF450RALLYのシートは全てノグチシートでした。
2013からダカールの現場に復帰したHRCのシートを今も作っており、そのシートは毎年アップデートされています。
ちなみにダカールスペックを語るうえでこういった写真が伝わるかなと思い載せてみました。ダカールのトップライダーの走りは1日でタイヤをこのようにしてしまうほど激しい走りです。その走りを支えるシートと言えば伝わるかなと思います。

ダカールスペックシートは基本的に衝撃吸収材T-NETとノグチシートオリジナルウレタンの構成であり、そこにライダーの好みによって形状を変えたりしています。

ダカールスペックという言葉で説明をするようになって数年で、お客様からも「ダカールスペックでお願いします」という言葉を聞くようになりました。
オフロードに限らずオンロードバイクでも、シート形状などが違ってもダカールを走るシートと同じ性能が良いというお客様は多いです。
今までは、衝撃吸収材T-NETを挿入したシートにはこのステッカーを裏に貼っていました。insideTというのはT-NETが入ってますよという感じです。要はインテルインサイドってステッカー見て思いついたというのが正直な話です。
このステッカーをダカールスペックに変えたらどうかなと思って作ったのがこれです。

こんなステッカーの偽物が出ることは無いのは分かっているけど、右上に透かしのようなノグチシートのロゴも付けてます。
これからはダカールスペックのご依頼を受けたお客様のシートの裏にはこのステッカーを貼ります。
普段は見えないところに貼るので、お客様の自己満足につながればいいなと。
このロゴを新たなブランドとして進めるつもりはないのですが、もしそうなったらという時に色々お試ししてます。
ジャケットに貼ってみたり
バーパットにプリントしたり
ワッペン作ったり。

毎日同じシートを作っているわけではないのですが、こうした新しいことをすると少し変化があって、ほんの少し楽しくなります。
しばらくしたら呼び名が変わってたりする場合もありますが、またその時はかっこいいネームを考えることにします。

 

CRF250RALLYのダカールスペックシート

ヴィンテージハーレーからラビット、カブ、様々なバイクを乗り続けてきた当社のバイク職人がCRF250RALLYを購入しました。
これで東北を旅してきますというので、純正シートを購入して旅用シートを作成しました。
快適が売りの一つでもあるノグチシートは、作っている者がその良さを知らないと、お客様に伝えることもできません。
これで良いのかなと思いながら作っていても、それが快適になるのか不安でうまく手が進みません。
だから、乗って乗ってとことん乗っています。体験が自信を生むと思っています。
これはノーマルです。

20mmアップした座面。上下の写真を見くらべれば20mmアップがどれほどの違いか見た目にもわかるかと思います。

上から見た純正シート。

若干の幅広に、前部はノーマルより細めに仕上がっています。
ちなみに職人174cmの足つきはこんな感じです。
リアサスをかなり硬めにセットしてサグが95程度にしてあるので、両踵がこの程度浮く感じになっていますが、リアサスのセットで足つきの調整は幅広いと思います。

シートを盛って得られるメリットは膝の曲がりの緩和による疲労軽減、目線の高さが変わって遠くが見える。それと、乗ると分かるのですが、シートの角度が変わることでポジションの安定と体重移動のしやすさが目立ってよくなります。

ウレタンは衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンの構成で「ダカールスペック」となっています。
職人はイマイチかなと言っていますが、今回「DAKARSPEC」というロゴも入れてみました。
とにかく思ったことは色々やればいいんです。かっこいいとか気に入らないとかはやらないとわからないんです。だから頭で考えるよりも先ずやって見る。
有りか無しかはやってから決めるのは結論が一番早く出ますしね。
生地はウルトラスエードの青 サイドはビニールレザーのB-60
何度も言ってますが、特にこの季節のウルトラスエードの快適さは乗るとわかります。適度なすべり止めに、熱くならない座面、そして蒸れない。
一度使うとやめられなくなります。お手入れもほとんど気を遣うことはありません。高圧洗車だけはやめてくださいという程度です。
縫製ラインはシートのエッジから少し下げたところにしています。
またステッチもウルトラスエード側に落としてあります。
これも乗り心地、耐久性のための工夫です。
HRCのロゴ入れて良いの?私も欲しい!と言われそうですが、こればかりは非売品です。ウルトラスエードへの型押しのテストとしてやっています。すみません。多くの方からHRCのロゴを入れて欲しいと言われるのですが、契約上お入れすることは今後もできません。
何を入れるかは別にして、ダカールスペックなので雰囲気はダカールマシンに少しでも近づけたいのでチェックカード入れはマストですね。

純正のピンクレッドも良いのですが、カスタムしたという満足度を上げるために、ダカールマシンと同じ青いシートは最近のお気に入りです。

気分はダカールライダー!

 

 

2024ダカールラリーのトロフィー

2024ダカールラリーで、ノグチシートがシートを提供しているホンダチームが優勝したことは先のブログにも書きました。
まだその余韻も冷めないうちにこんなものが届きました。

じゃーーーーーーん!!!

サウジアラビアの砂にまみれたままの、優勝したマシンから外したシート。
そこに、こんなメンバーが寄せ書きをしてくれました。


優勝したリッキー・ブラベック

3位のヴァン・ベバレン

ステージ優勝を何度か獲ったナチョ コルネホ

リッキーの親分であるジョニーキャンベル、チーフメカニックのしげさん。
マップマンのイシドロ サポートトラックドライバーのチコ
それらをまとめてくれた佐々木さん。
粋なことをしてくれるチームの方々に頭が下がります。
なんて贅沢なんでしょう。まぁ感無量ですよ。
皆さんありがとうございました。

1年ほど前にパーティーで会って話をしたこの二人が、1位と3位というのも良い。

このシートはノグチシートのダカール優勝トロフィーだと思っています。
2020 2021の優勝シート
これで3つ目のトロフィーです。

たぶん世界中のシート屋さん見ても、ダカールの優勝シートを3つも飾っているところは無いだろうなぁ。
と、勝手に世界一気分に浸っています。

今年で55周年のノグチシート(野口装美)にとっては、55年間もよく続きましたというトロフィーでもあります。

そうそう、大事なことを
シートを外から見た感じ、パリッと感は保ってるし、クッション性能も劣ってない。カバーのエッジは擦れがみられるけど、ロゴは強靭と言えるほどしっかり密着している。そして汚れ具合から運動域が分かるし、荷重が一番かかるところも分かります。いずれにしてもダカールスペックは運動性能と耐久性があると自信を持って言えるし、これで満足せずにさらに上を見たいと思います。

もう少し頑張ろうかなと思います。