KTM690DUKE

いつもお世話になっているバイクショップ トライに寄った時、社長のご好意で少し690DUKEに試乗することが出来ました。(この車両は試乗車ではありません)

走行性能などは言うに及ばないのでここでは割愛させてもらうことにします。
天気のいい日でそりゃー気持ちのいいことったらないです。
そして気になるシートです。前回のブログでも書いたように中に入っているフュージョン の感触も自分のお尻で確かめたい。
KTMでは今までこのようなバケット形状のシートはなかったと記憶しています。お尻のおさまりはいいですね。角度も悪くない。座幅が広く取ってあるので底付き感も少ない。しかし、この幅によって足が出しにくいと感じる人もいるかもしれません。

座面の厚みがない分、幅のカットで足付き性を上げるしか方法がありません。なので、足付き性をとにかく上げて欲しいと言う依頼を受けたシートはこんな形状になりました。

装着写真がないのでイメージがわきにくいと思いますが、張り出した部分を大きくカットしています。それに伴って、バケット部分を廃しました。これによってウレタンの防水もできました(ノーマルは水がウレタンに入る恐れがあるので注意が必要ですね)
あるお客様は、これによって足の親指1本の足つきから指全部で支えることができるようになりました。
他にももっと足付き性を上げて欲しいと言う要望があるので、快適性と足つき性と言う難しい問題の答えをなんとか出そうと思います。

 

KTM 690DUKE ver.2012

まだ発売されたばかりのKTM690DUKEのシートの相談がありました。ちょうど同じ日にいつもお世話になっているバイクショップトライで現車を見てまたがってきたところでした。(試乗はしていません)

 

 

 

座った感じは見た目同様座面のバケット形状によりお尻を包む感じ。座面の広さも角度も悪くない。尾骨に力を入れる感じで座ってみると若干底付き感が出るような感覚もあった。足つき性に関しては、シートベースよりウレタンが外に張り出しているので、足つきに不安がある人だとその張り出しがネックになりそうな感じもしました。指でウレタンの厚みを確かめると30mmあるかどうかでしたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の依頼は身長155cmの女性が乗るための足つき性向上です。先ずは表皮をはがします。すると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかの顔に見えますね。笑ってます
そして、座面のボトムに何か入ってます。

旭化成のフュージョンですね。特に新素材といえるほど新しいものではないですが、こうして量産車に使用されているのは始めてみました。シートカバーではBMWやYAMAHAなどが使っていますね。この素材はウレタンに比べてへたりも少なく弾力もあり底付き防止には有効だと思います。指で潰せば潰れるけど手のひらで押さえつけると中々潰れません。ちなみにこれが入っている部分の総厚みは28mmウレタンの厚みは20mmです。このシートに採用されている硬度のウレタンだけの構成だと底付きは座った瞬間に分かるでしょうね。

では、これが入っているからOK!というわけではありません。もちろんこれで問題ない人も多くいるでしょう。これではダメだという人に対して提案できるものは用意していたいですね。

単純にフュージョンが入っていたところにT-NETを同じ形状ではめ込むなんて事はしません。そういう仕事はコスト優先の量産メーカーがすればいいのです。あくまでも乗り心地にこだわるのであれば些細な違和感も消していきたいですね。

二つの素材と私が向き合ってお話中です。まぁ一人喋りなんですけどね・・

でも、入れ替えただけの試乗もしてみたいな。フュージョンは試したことがあったけど新しい発見があるかもしれない。

いずれにしても、こうしてライダーの快適性を考えたシートを量産メーカーが作ってくれるというのは嬉しい事ですね。そして量産メーカーの手が届かないところに当社がいることで、さらにお客さんに喜んでもらいたいです。

 

 

トゥワレグラリーの動画など

自分が走っている写真と言う物はほとんどありません。オフィシャルページで1枚だけ見つけました。

下は動画から切り抜いた写真。

上の動画はここからどうぞ

 

上の画像クリックで動画に飛びます。
あとね、これ。DAY5のビデオ。この日は同じところを4周して、最後に100m以上はあるでっかい砂丘の上に登ると言うステージ。ビデオ観てもらうと分かると思うけど、かなり急でなかなか手強いヒルクライムなんです。斜面というか壁にはたくさんのバイクが刺さっています。そして、登れなかった人は自分の足でヒーヒー言いながら登っていくんです。

そこを1発クリアーした僕は頂上で一人絶叫していたんですわ。登りきって転んだけど、バイクはそのままにガッツポーズして、サッカーのゴール決めた選手のように近くの選手と握手したりしてたんです。で、カメラクルーが来て「どうよ今の心境と、このラリーは」と聞かれて、それまでのテンションがやや下がって、モゴモゴとつたない英語で答えたわけです。そしたらカメラマンが「よーーし、次は日本語で喋ってくれ」と言うわけでこんな喋り。次は走りよりもとっさの気の利いた一言がいえる男を目指そう。
そして、少し落ち着いてから撮った写真がコレ

ふふ、友人から貰ったお守り人形のバックに、砂壁に刺さったバイクたち(^^)こういうことして気持ちを落ち着かせるんですよ。

チェックポイントは、砂丘ステージの場合こうした急なのぼりのてっぺんにあることが多いです。ここはバイク専用コース。そこを眺めていたら、下りてきてたオフィシャルが写真を撮ってくれた。
ちなみにチェックを受ける上はこんな感じ。

尖った砂丘のてっぺんにバイクを止めます。緑色のバイクはギリギリ登れずリアタイヤが半分埋まってます・・・。
涼しそうな格好をしているオフィシャルに「やぁ元気か?水飲んでるか?」と言われて次のチェックを目指します。

最後にこれ
画像クリックで動画に飛びます。
DAY6の プロクラスのみが通るガレ場。ラインが2本しかないので大渋滞・・・。助けを請うと助けなければいけないのは万国共通のルール。時間が惜しいので気合一発でクリアーの瞬間が映ってました。知り合ったイギリスの友人が送ってくれました。ゼッケン85です。

私が撮ったその他の動画はここにあります

オフィシャルページの動画

 

トゥアレグラリーで使ったシートの話

ただいま!帰ってきました。結果はプロクラス33位。砂丘ステージでの低速転倒はありましたが、それ以外のハードな路面での転倒はなし。したがって、体の疲労は少し残っていますが、元気そのものです。遊びに行って汚しててはいけません。まぁ危ないことは何度もあったけどね。

レースのレポートと言うか、感想などはどこかで発表できるといいなぁと思っています。勝手に書いて送っていいですか?編集長!

シート屋なので、先ずはこれを書かないことには次の仕事に移れません。自画自賛といわれる内容かもしれません。しかし、自分自身でお客様に提供しているシートを過酷な現場で試す事がきたことは本当に良かったと思っています。ラリーに限らず全てのフィールドで、野口シートが最高のライディングをお約束できるようにしていきたいと思っています。
今回のトゥアレグラリーで使ったシートは、少しまえのブログで書いたけどもう一度おさらい。
2010KTM530EXCの純正シートをベースにT-NETを全体的に挿入し、弾力あるウレタンでアンコ盛りをした。アンコ盛りの量は低いところで15mmアップ。シート後方の厚みの差はノーマルと殆どありません。シート幅は、あえて格好を優先して10mm広げた程度。実車に装着してまたがると、185cmの身長の私でかかとが少し浮く程度でした。
シートの角度は地面に平行より若干前下がりでしたが、違和感は感じませんでした。私の走行姿勢の殆どが座ったままで、着座位置は高速ダートを走るせいか、後ろから15cm程度でほぼ固定されてました。
ちなみにその部分のシートの厚みは30mm程度です。クッション性能はその厚みだと期待できないのですが、T-NETのおかげで全行程中お尻をずらして座ったりしなくても良かったし、お尻にできものができることもなく本当に快適に走ることができました。特に中盤以降は全く気にすることもなく、また、座面に使用したアルカンターラのおかげで蒸れることも全くありませんでした。一日だけ雨が夜に降ってシートが濡れましたが、かまわずそのままスタートで 30
分もたたないうちに乾いてました。
今までシートの長距離のテストは何度もしていましたが、私自身がラリーで試すことで、今まで以上に長距離走行に対するシートの方向性がより一層明確になってきました。
また足つき性については今までの考えを少し改める必要も出来ました。
今回のラリーは2,500kmと距離は長くないけど、テクニカルな部分が随所に織り込まれてました。大きな岩のガレ場、狭いウッズ、高い段差がある枯れ川を何度も越えたりなどなど。もちろん、砂丘も様々な顔をしていました。なので座り心地もさることながら、足つき性についてずいぶん考えされられました。コース全体を占める足つき性の重要な部分はわずかではあるけれど、そのわずかな部分が疲労や成績につながる場合があります。私の場合は、185と言う身長にずいぶん助けられたけど、テクニカルなセクションでは足つき性の悪さで相当苦労している人を何度もみました。単純に低くすれば足つき性は上がるけど、クッション性能は落ちてポジションも悪くなります。なので、ラリーの場合は快適性を優先してあんこ抜きはお勧めしていませんでした。バタバタ脚を出すなら押したら良いと考えてました。しかし、押すまでもなくほんのちょっとのきっかけが欲しい足つ
き性が重要だと言う事に気づき、これについては少し考えて製品にフィードバックしたいと思います。それ以外にも、シート表皮の素材、シートの断面形状やチェックカード入れなど、ラリーで試して良いことを思いついたのでこれも早くフィードバックして行きます。ラリーバイクを一通り見てきましたが、シートを交換したり、自作したりしている人は全体の一割程度でした。KAHEDOという初めて聞くシートメーカーもありました。触ってみましたが、柔らかい感じはいいのですが、沈みすぎる気もして・・・その他は自作ですね。自作するほとんどが分厚く柔らかいウレタンで盛って、幅も目一杯広げる方法がとられてました。表皮はバックスキンを使用していました。それらを見て、まだまだシートの可能性はたくさんあるなと一人現場でほくそ笑む私でした。

 

 

 

トゥアレグラリー用のシート

今回のラリーはKTM530で走ります。

 

このマシンに13Lのガソリンタンクを取り付け、メーター周りにはナビゲーションに必要な機器を取り付けます。その辺りの改造は、既にドイツで進んでいるので心配することはありません。

そして、今回のラリーで一番重要なパーツ。自分が座るシートですね。これを持っていかないことには意味がありません。常々シートの感触や長距離テストは行ってはいるものの、実際のラリーで自分が試したことはもうはるか昔。もちろん今でもいろんな方から現場でのインプレを貰って(前回のJCRの件もいい例ですね)、それを製品にフィードバックしてはいるのですが、やはり自分で体験してより多くの情報を得てきたいと思っています。

さて、シートの改造内容です。写真に寸法などを記載しました。

私の身長は185cm、体重は75kg(風邪で朝練サボっていたけど体型は維持されてます・・)
ノーマルシートの高さだと足に少し余裕があるのでアンコ盛。一番低いところで15mm程度です。幅は一番狭いところで10程度。厚みを持たせることでクッション性を向上させ、衝撃吸収材T-NETの挿入で長距離の疲労を軽減する。
表皮はアルカンターラ+B-16. トップライダーのように常にスタンディングで走ることはないので、シッティング時にお尻の蒸れを軽減するのと、お尻に対してタッチがソフトなので座面をアルカンターラとしました。B-16はKTMのオレンジに合うので、ロゴを際立たせるためもありアクセントとしてこの切り替えしを入れました。
スタートまで、あと11日。着々と準備は進んでいます。