野口シートの作り方 How to make comfortable seat.

シート改造はカバーに包まれた中身を見ることができないので、ウレタンにはどんな仕事をしているのか気になるところだと思います。
なので、今回は当社の一般的な改造例として衝撃吸収材T-NETを挿入する工程をお見せします。
いいの?全部見せても!と思われるでしょうが、そこはあれ、少々割愛してます^^ご了承ください。
オーダーされるお客様の安心のためにも、何をどうしているのか、見えない部分を少しお見せします。
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さて、今回のベース車両はXL250S。30年ほど経過したバイクです。ウレタンも経年変化でへたったり、加水分解している可能性があります。社員が購入したので、試して見たいこともあるので写真を撮りながら加工していくことにしました。

 

P7260304カバーは何度か張替されたようで、エンボス地のビニールレザーで張り込まれていました。この時点で、カバーの上から触ってウレタンサイドに割れがないか、シート裏側から見て腐食の進行などを確認します。

 

 

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カバーを留めているタッカー針を一本ずつ抜いていきます。こうしてみると、表にはシワはありませんが、裏側は苦労して取ったシワが寄っています。見えない場所なので問題はないのですが、当社では裏側も 表 同様極力シワのない張り込みを心がけています。

 

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オフロード車に限らずシートベースは汚れているので必ず洗浄します。
洗浄することで、シートベースのクラックや変形、その他不具合などが無いかを確認します。

 

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ウレタンの確認をします。今回、年数が経っている割には状態がいいウレタンです。紫外線によって焼けている部分もありますが、保管状態が良かったようでウレタンの腐食はありません。
*ウレタンの状態の悪いものなどは、加工ができない場合があります。

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シートベースのバリなどを取り、ウレタンとシートベースをしっかり全面接着します。しっかり接着をすることで耐久性も上がります。

 

 

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衝撃吸収材T-NETを入れるために上層部を削り取ります。T-NETの挿入位置などはシート形状やシートウレタンの硬さによってその都度変えます。低くしたい場合や高くしたい場合などは、この工程で高さの調整をします。

 

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T-NETを貼り付けます。T-NETを貼り付ける前に1工程あるのですが、そこは割愛。(ごめんなさい内緒です)貼り付けたT-NETの全周は全てテーパー状になっており、ウレタンとの接着面で起きる違和感がないようにしております。この方法はすべての積層するクッション材に行なっています。

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貼り付けたT-NETの上に野口シートオリジナルウレタンを積層していきます。ここでも、オリジナルウレタンを接着する前にT-NETのにある加工をするのですが、ここも割愛です。こうして積層するオリジナルウレタンですが、T-NETの上に何mm積層するかで感触も変わってきます。何mm乗せるかはお客様の好みもありますし、シートの形状によっても変化します。このウレタンの接着も当たり前ですが端面はテーパー状になっております。違和感のない接着面も当然ながら、接着面からの割れを防ぐためにもテーパー加工は必要だと当社では考えています。

さらに、この段階でシートカバーを張り込んでも表面に接着面の凸凹や、各Rや座面の均一さなどの不具合がないようにしっかりと削り込みをして仕上げておきます。
この後に張り込みをする防水コートは厚さが1mmしかなく弾力もあるのでいい加減な表面仕上げだと、全てそれがカバーを通して外に見えてしまうのです。
柔らかいウレタンで全体を覆えば凸凹を消してくれますが、触ったときに一瞬フワッとするその感触が私が嫌いなので当社ではしていません。

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そして最後にシート全面に防水加工です。
ウレタン全面に完全に接着をします。
厚みが1mmの防水ウレタンです。伸び率が高く防水性もあり、摩擦にも強いので縫製部分との擦れによる削れもありません。車種によってはシートベースに少し加工をする必要がある防水コートですが、その加工も言われなければわからないレベルの加工なので心配はございません。この加工は当社で行う全ての加工(張替のみの場合でも)に含まれています。エクセーヌやアルカンターラで張り込みをしても、カバーに保水はしますがウレタンにこうした加工がしてあるので、いつまでも濡れて困るということがありません。またこの加工を施すことでウレタンの耐久性も上がり、ヘタリの防止に繋がります。

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そして張り込みです。タッカー針はきちんと並べて打つのは当然のことなのですが、しっかり打ち込まれているかも重要なのです。カバーを留める針はコの字をしたホチキスの大きなものです。コの字のコ←この部分がしっかりとカバーを押えていないと、針の足だけでカバーを留めることになってしまいます。なので、単純に針を打つだけではなく、当社では特殊な方法で針がしっかりとカバーを留めるようにしています。カバーをとめる方法はブラインドリベットであったり、接着剤のみの場合もあります。そうした場合でも、シワの出にくいしっかりとした張りでカバーを留めております。
P7260318これでシートサイドにXLのロゴを入れたら完成です。

途中お見せできない部分が何箇所かあり失礼しました。
とにかくシートのことを毎日毎日考えているので常に新しく、且つそれがよりよいものになる加工となるように工夫し、皆様により良い製品をお届けできるようにしたいと思います。

森寸の彫刻刀巻  Carving knife roll

20年ほど前のことだと思う。長野の山奥にオフロードバイク仲間が集まり、険しい道を競い合って走破して遊んでいた。少し危険な場所もあったけど、集まったメンバーは指示されたルートを通り、暗くなった林道を疲れた体でキャンプに帰ってきた。雨が降りとても寒い日だった。午後8時をすぎても帰ってこないライダーが一人いた。初期型CRMに乗ったむらちゃんだ。確かその時の彼は初参加だったと思う。もし何かあるとすれば、あの場所の先にある崖か??捜索に行くにも夜そこに行くのはとても危険で、なおかつ不気味すぎて怖くて行きたくない。むらちゃんは心配だけどお腹減ったなぁ・・。どうする?と捜索に行くこともなく、みんな頭の中で捜索活動をしているときにむらちゃんは帰ってきた。何で遅れたかは忘れた。とにかく怪我もなく無事だったということでよかった。

・・・・・・・
と、正直そんな記憶しか残っていなかったむらちゃんとは、その後20年会っていない。風の便りで「木彫りの世界では結構な有名人になっている」と言うことは聞いていた。
そんなむらちゃんとfacebook上で再会をした。かわいい木彫りをしているだけではなく、「morrison  森寸」と言う工房で子供たちといろんなものを作ったりして精力的に活動をしているようだ。
WEB MORRISON
FACEBOOK PAGE
WEBを見るとムラバヤシケンジワールドが広がっている。もう15年続けているんだそうだ。すごいな。

で、ここからが本題。野口シートの工具巻をフェースブック上で頻繁に紹介していたら、僕の彫刻刀巻も作ってくれないでしょうか。という依頼がむらちゃんからきた。(今ではムラバヤシ先生と呼ばれているだろうけど、昔のままで、ここではむらちゃんと書かせてもらいます)
彫刻刀巻・・・刃物だもんなぁ・・スパナやドライバーをさすような具合にはいかないよなぁ。と思いながらも面白そうなので「よし、受けてたちましょう!」と言う事で、製品化になることは絶対にないであろう彫刻刀巻プロジェクト開始。

その1 先ず使っている彫刻刀を並べてスケールと共に写真を送ってください。
1057278_478443588896714_483274870_n1061066_478443592230047_2059319791_n1057373_478443595563380_788958409_n1063419_478443598896713_606652165_nへーーーー、いろんな彫刻刀があるんだな。命である刃先は、いままでも相当慎重に丁寧に包んでいたようだ。しかし、毎回こうして包むのは手間もかかるのは十分理解できるので簡単に仕舞えて、簡単に広げて、その彫刻刀巻を扱うむらちゃんの仕草を見る子供がじっと見て憧れるようなものにしなければ

その2 先ずは叩き台
1057717_481277245280015_1718619232_n先ずはビニールレザーでポケットの広さ深さの検証。巻き方などなど・・を提案。全然ダメ。当然問題も要望も出る。しかし、これがあるから次に進むことが出来るんだ。
1063193_481277255280014_2029895179_n992584_481277248613348_823699669_n折りたたみを提案したけれど、やはり巻きがいいということで・・
1063391_481277258613347_674745696_nいや、これは0.8mmのビニールレザーだから破れますって。
1057369_481277251946681_38083913_nまぁ嫌だろう・・・俺も嫌だもん
1061760_481277238613349_861300737_nこんなのが良いと言って来たむらちゃん!
そりゃー子供は喜ぶよなぁ。
でもなぁ・・ふぅ。先ずは形状を決めることが先決です。

その3 完成を見据えて
彫刻刀巻と言う事で、素材はハイテク素材よりもこっちがいいかなと、厚手の帆布と補強のための本革で行くことにした。
1060834_484567054951034_664411271_n1058762_484567048284368_358887088_n1069037_484567051617701_1215665452_n1063385_484567044951035_889085843_nが・・・
見えない場所に破れ防止の補強をしたことと、ポケットにたるみを持たせなかったことで、彫刻刀を入れると写真のように扇形に変形してしまった。良く考えれば分かることだけど、ここまで反るとは思わなかった。ノグチシートの工具巻きでも採用しているフラップは具合がいいので採用となった。ダメなことばかりでもなくて、彫刻刀巻を止めるベルトは当初2本がいいと言っていたけど、試してみると1本がいいってのが分かったし、色々作ってみると発見があるんだ。でも、この試作品もボツ。ゴミ箱行き。
むらちゃんも「いや、もう大変なんで怪獣とかいいです」とか遠慮してくるし、時間ちょうだいと言いながらあまり引っ張ってもたいしたアイデアは浮かばないし、浮かばないならどんどん作るしかない。飽きないうちにこの仕事は完結しなければ。どの仕事も同じですけどね。飽きたら良い物が作れるはずがないんです。

その4 少し見えてきた感じ
1057312_484848441589562_1463540932_n僕も結構ずるくて「じゃぁさ、今までの試作を踏まえてどんなのが理想やと思う」なんて言って絵を描いてもらった。
そしてこれ
1058607_592440864139460_1251302959_n彫刻刀入れは3分割して扇になるのを防ぎ、上のフラップと左右のフラップはそれぞれ部品として分けた。
1002100_487638407977232_2088638891_nおっ
1003461_487638421310564_747340145_nおぉぉーーー
994514_487638401310566_1685776163_n着地点が見えた!
生地の縁巻テープとかはどうする?取っ手とかは?

蛍光色がいい・・・と、むらちゃんが言いました。
そう、帆布と革で職人を意識した素材に蛍光色のテープです。むらちゃんワールドに口を挟むことはしません。行きましょう。それで。

そして

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じゃーーーーん!!

蛍光色が、まぶしっ!

IMG_5351ぺたんぺたんとおりたたんでくるくるっとまいてーーーぱちっととめて

彫刻刀巻の完成です。
やっと出来た。出来たはず。多分使うと問題点も出てくるだろうけど、とりあえず形にはなった。
当分これで持ち歩いてもらおう。
IMG_5355こっそり裏側に銘を入れさせてもらった。
さー むらちゃん、たくさん作品を作ってください。

 

超音波ミシン Welding sewing machine

製品を綺麗に仕上げるためには目と腕が重要ではあるけれど、高性能、高機能な機械を使うことで更に製品のグレードは上がります。

やりたいソレがどんな機械で加工できるのか分かっていても、使う頻度が極端に少ない場合や可能性が見出せない場合は、やはり機械の購入はためらってしまいますね。

バイクシートの改造をはじめたときから気になっていたミシン。
超音波ミシン、高周波ミシン・・。
バイクシートで立体的なものは何箇所かでカバー地の切替が入っています。
一般的に切替部分はミシンを使って糸で縫い合わせます。糸で縫うのですから当然針穴が開き、そこから水が浸入します。しかし、バイクシートの多くは糸で繋ぐのではなく、ビニールレザー同士を溶かして繋いでいます。溶着です。そうすることで水の浸入がなくなります。
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色が同じなので分かりづらいですが、2枚のつなぎ目には隙間はなく溶着されています。糸での縫製とは違い、点で繋がっておらず面と言うか線で繋がっています。なので縫いしろも極少なくすみます。
IMG_5297IMG_5298立体の組み立ても出来ます。

古くからある工法なので別に珍しくはないのですが、大手量産メーカー以外ではなかなかこの設備を持っていません。そして、こういう機械を使って量産では出来なかったことを考えたいですね。量産は昔からのメーカーさんに任せておけばいいんです。高価な機械を買ったら量産しなければ宝の持ち腐れのように言う人もいるでしょうが、それは違うと思うんです。それも正解だけど、少し工夫して面白くて、そしてすごいものを作ってみたいじゃないですか。

もちろん今まで通りの針と糸を使った縫製は続けますよ。綺麗なステッチラインとか、糸でしか加工、表現できないものもたくさんあります。
加工方法の引き出しを1つでも多く持っていたいと言うの職人の気持ちですね。
アレがダメならコレ、コレでだめならソレ・・みたいな感じかな。出来ない理由よりも出来ることを考えたいですからね。

で、ノグチシートがこのミシンを導入したのかって?

ふふふ・・・色々考え中なのです。 ^^

 

なんか複雑な気分・・  :-〈  Tool roll・・

 

フェースブックのおかげで飛躍的に欲しい情報を得られるようになった。しかし、見たくもない情報も目に入ってくることもあったりします。何でもかんでも知ろうとすると、結構滅入ることも多いんですよ。知らなかったで済ませたほうがいいこともある。

・・・・・

いかんいかん、こんな愚痴書き始めたら止まらなくなっちゃう。

今日の話題は、先ず写真を見てください。

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左が日本からとおおおおおく離れた地で頑張るメカニックの工具巻き。
右が野口巻。

最初見たとき「何でノグチワッペン外して使っているんだろう」って思ったんです。「ノグチワッペンを外さなくちゃ行けない理由」をネガティブにあれやこれ考えていたんです。
が、よく見るとコレ違うじゃん!!!!
それからはこの写真一枚で分かる違いを写真の明るさなどを変えて検証してみた。
直ぐにわかるのは、取っ手のベルトを固定する角リングの大きさ。
縁取りテープの織りかたや本体の素材の織り目・・・
でも、寸法はほぼ同じだろう。ベルトの太さから見てもバランスは殆ど変わらない。

たぶんDAKARでHRCが使っていたのを見たか、そのメカニックから借りて作ったんだろうね。
MOTORSPORT -  DAKAR 2013 - PART 1欲しい!と誰かが思うものを作るというのは職人冥利に尽きます。

本物は高いからと言うことを耳にすることもありますが、それには理由があるんですよ。
どんな理由かって?それは分からない人に言っても始らないのでここでは割愛(^^)そもそも高いってなによ

この形になるまでに細かな修正を何度も指摘してくれた一流のメカニックに申し訳ないんです。と言うより、自己満足だけで売れない良い物を作っていてもダメなんですけどね。その点はもっと努力しなくちゃいけないなと思います。
ソックリな工具巻きに腹を立てているんではなくて、やっぱりうちの工具巻はみんなが欲しがる形なんだと言うのもわかったし、もしこの真似た工具巻がうちより機能性をアップしたものなら、今度はうちがそれ以上の機能性を持ったものにするね。工具がつまった状態で広げた写真が見て見たいな。

まぁこれが競争と言うものでしょう。おかげでやる気がわいてきた。野口マークの工具巻を誇らしげに持って世界で活躍するメカニックたちを思いながら製作に励むことにします。

レカロシート ラバーマット(ピレリマット) Rubber Mat

思いつくと書いてるレカロのラバーマットのコマーシャルです。
3思い出して書いたというわけではないのですが、どういう具合か先週辺りからほぼ毎日レカロのラバーマットについて問い合わせと注文をいただいています。それまではパラパラと、まぁ宣伝といっても特に何かでしてるわけでもなく、このブログで書いているだけなのにお客様曰く殆どの人が「調べていたら御社のブログに行き当たった」と言う事でした。急に検索のランキングでも上がったのかな。
36blogせっかくなので、たくさん売れたほうが会社にとってもありがたいので同じ内容のコマーシャルを再エントリーと言うことです。
今週は北海道や沖縄からも注文をいただきました。
いままで数多く出荷してきましたがトラブルは1回のみで「輸送中に金具が曲がってしまった」
取り付けができないとか、当社製のラバーマットが直ぐに伸びたり切れたりしたということもありません。レカロ社純正より強いとは言い切れませんが、ゴムと高強度弾性繊維と比べればその性能差は明らかです。
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ラバーマットの注文方法
ラバーマットには数種類のサイズがありますので、一番確実なのは現在のマットを取り外されて、フック及び芯棒が付いた状態で送っていただき、そのサイズに合わせてこちらで製作する方法です。(すぐに取り付けられる状態で返送します。取り付けマニュアル添付)
到着して、月から金であれば遅くとも翌日に発送いたします。

* 発送には電話番号まで必要なので、必ず返送先の住所、氏名、電話番号を記載ください。

送るのが面倒であれば、サイズを連絡ください。(フックや芯棒の取り付けは
お客様となります。施工は難しくありません)

いずれも本体への取り付け方法を記載したマニュアルと一緒に送ります。

※代引きのみの取り扱いとなりますのでご了承ください。
ラバーマット 1枚/¥5,500(送料+代引き手数料別途)
*北海道、沖縄に関しては送料が変わりますのでご了承ください。
当方のサイズ間違い及び縫製不良などを除き、返品は一切受け付けません。
また、お送りいただいたラバーマットはお客様の要望がない限り返却はせず、当方で処分いたします。価格は予告なく変更する場合があります。

以上、よろしくお願い申し上げます。

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