VFR1200Fのシートの改造依頼から完成までを、今回は順を追ってご説明いたします。
先ずメールで問い合わせがありました。
お客様からの要望はこうでした
現状両足接地ではあるが、踵が4cm程度浮いた状態である。車重が重く、左傾斜地やタンデム時に支えきれない不安が大きい。それを解消する為に車体のローダウンも考えたが、サイドスタンドの長さの問題があるのでシートで解消したい。
良く滑る表皮を何とかしたい。
そして、このVFR1200Fのシートは表皮とウレタンが一体成形だけど、はがして改造は可能かどうかも教えて欲しい。
これに対する当社の返答
改造は可能です。ただし、表皮とウレタンが一体成型されているので表皮の再利用は不可能であり、シートの表面にデザインされている凸凹はいくらか再現できない部分があります。ライダー部の座面は高さを下げることに加えて、シート前部の着座しない所は細くシェイプします。下げる部分は着座部として、前傾を緩くする方法を取ります。薄くなったウレタンはクッション性能が落ちてしまうので、それを補う為にも衝撃吸収材T-NETの挿入をお勧めしております。表皮は座面に当社オリジナルの適度な滑り止め効果を持ったサンドレザーB-12を使用し、サイドにはプレーンな黒レザーのツートンではいかがでしょうか・・・
このようなメールのやり取りをしながら、お客様から写真つきで、写真にラインや質問を交え、こういうことなのか?という質問をいただきました。
それに対して、当社で説明とシート表皮の切り返しのラインの追記などを加えて返答させていただきました。
そして、何度かやり取りをするうちに表皮は座面にウルトラスエード(アルカンターラ)のパンチングを使用し、ステッチ糸の色指定もいただいて完成しました。
お客様からインプレが届きましたのでそのままご紹介させていただきます。
野口装美様 VFR1200のシートを作っていただいて今日始めて跨って走ってきました 元々VFRのシートは平べったくてホールド感はなく その代わり走行状況に合わせて座る位置を変えたりすることが出来ます しかし私のように峠を攻めたりアグレッシブな走りをしないで まったりツーリングを楽しむといった場合には適度なホールド感があったほうが良い シートが届いたときにはノーマルと比べて座面が結構変わっていたのはちょっと驚き ました しかし座ってみてお尻がピッタリと嵌ってしまうようなホールド またT-NETのおかげかクッションも硬くも柔らかくもなく頃合 また足つきも向上していて希望していたことが全て叶っていて 製作をお願いしてよかったと思っています ありがとうございました
こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
メールでのやり取りでは不安な方は、お電話でも来社いただいても構いません。納得いくまでご説明差し上げますので、安心してお問い合わせください。