先ず、自分で試す。 バイクシート

新素材が手に入った時、先ず自分で試します。
素材のカタログスペックは、体感の次でいいと思っています。
体感具合が良かった場合の補足説明としてあればいい程度ですね。
自分が試した次は、自分ではなかなか行えないテストに入ります。
ラリーレイドや長距離ツーリング、長期間に渡るテストなどを、しかるべきライダーにモニターとしてお願いします。
これも、単純に「良いか悪いか」の評価を貰い、お蔵入りになる材料もあれば、他の材料と複合して再度テストを繰り返したりします。
今回は、メインで使うウレタン。
今まで使っていたウレタンよりも弾力があり、硬度もある。
加工性もよいので、お客様の選択肢を一つ増やす事ができます。
さまざまな要望に応えるためには、技術だけではなくそれに伴って素材もたくさんあった方がいいと思います。
テストをするときの基本は、ノーマル形状で表皮もノーマルに近いものから始めます。
ローダウンしたり、ハイシートにしたり、表皮を変えたりとすると、何が良くて何が悪かったのか分からなくなってしまします。この結果をベースに、次のステップに進みます。

前回のラリーでは、現在お客様に提供しているシートを自身であらためて確認できた。これはこれで問題は無い。
しかし、このままでいいと止まった時点で、技術は維持するが進化はありません。
焦って新素材ばかりを追いかけるのも良くないです。
良いと思う素材をじっくり料理して、いつでもどこでもその性能を発揮できる状態でお客様に提供しなければなりません。
しかし、今回はツートラ。
準備隊の映像がユーチューブに上がっていました。ちなみにBGMの優歌団は好きです。

・・・・うーーーん
マシンはKTMだし(いいわけではないんですよ)・・
座ったままで移動するラリーと違い、山や沢を映像のように進むわけで、トライアルマシンではない私の場合は、押して押して押しての連続かと思います。それでも、少しはテストができるでしょう。
テストのシチュエーションは、多ければ多いほうがいい。

さーて、行ってきます。

ヨシムラ GS1000 8耐優勝車レプリカ 

もうすぐ8耐ですね。
私も、ロードレースに憧れた時があり、実際に18歳から数年間、鈴鹿サーキットや中山サーキットなどをTZR250で走っておりました。
免許を取る前の高校生の時は部活を無断で休み、先輩にグーで殴られるの覚悟で鈴鹿8時間耐久レースを見に行きました。
ケニーロバーツが復活して、平忠彦と組んでトップを走っていて優勝間違いなしと思われた残り30分でのストップは今でも忘れられません。
それと、シケイン立ち上がりの金網にへばりついて見た、ケニーロバーツのハングオンの美しさもいまだに覚えてます。
やはり夏と言えば8耐ですね。
さて、それより少し前の1980。
ヨシムラがGS1000で優勝しました。
そのマシンのレプリカのシートの依頼を受けました。
ベース車両はGS1200SS

クッションは発泡ゴムの貼り付けだったけど、そこにビニールレザーを追加して貼ったがいまいち具合が良くない。
なので、次のような内容で製作をしました。
1.クッション新作 厚みアップ
2.先端部延長 クイックファスナーの逃げを作る
3.アルカンターラで張り込みをする デザインは打ち合わせにて
クッション部はカウルにしっかりと糊付けがされており、綺麗に塗装されたカウルに傷を付けないようにはがすところから始める。
現状のシートは、カウルのエッジよりはみ出していたので、事前に気になる点の寸法などを計測して新作をしました。
取り付けは、ノーマルと同じように糊と両面テープで貼り付けです。


アルカンターラの質感がいい感じです。
赤のダブルステッチも、カウルのカラーに合っていると思います。

GA-01 ガソリン添加剤

GA-01の取り扱いを数年前からしております。
また、製造元のタービュランスの石井さんとは、10年以上前からお付い気合いさせていただいております。
この石井さんと言う人は、オーストラリアンサファリ、パリダカなど海外ラリー完走率100%なんです。
パリダカ出場前には、一緒にパリまで車検会場や、雨続きでドロドロになってプロローグランの観戦などをした記憶が懐かしいです。
そんな、車やバイクに精通した人が開発したガソリン添加剤が「GA-01」です。
さて、本題です。

このGA-01。先ずは自分でその効果を確かめてみました。
ガソリンに混ぜるだけなので使用は簡単。混合量の早見表も添付されていますので面倒な計算もいりません。
社員の乗るVOXYのカチカチ言うノッキング音が消えるか確かめてみました。
規定量を入れ、2度目の満タンにした頃、気になっていたカチカチ音が消えました。
それから2年経ちますが、今のところ気になるような音は発生しておりません。
参考写真です


GA-01使用後のピストンヘッド


GA-01使用後のバルブ


GA-01使用後のノズル
詳しい説明はこちらからどうぞ。
常時在庫しておりますので、お気軽に問い合わせください。

籐の張替 ラタン RATTAN

当社では籐の張替えもしております。
籐の椅子と言えば、この椅子が最初に頭に浮かんできます。

トーネット№14 曲げ木、ノックダウン方式、生産台数・・この椅子だけでも語る事がたくさんありますが、今回は籐の張替について。
籐張りの初期はこんな張り方をしてました。今でもこうした張り込みをしているメーカーもありますね。
残念ながら、当社では今のところこの技術がありません。

一本一本手で編み込んでいきます。
最近のトーネットは、コストダウンのあおりからか、それとも張替のしやすさからか、籐の張り方が昔と違うようです。
1:30辺りの映像をご覧ください。

これからご紹介する張り方と同じようです。
さて、こんな感じで破れてしまった籐で困っている人も多いかと思います。

カナディアンカヌーの座面

ロッキングチェアーの背面と座面

ダイニングチェアーの座面
これらの張り込みは、一般的にはこのようになっています。

木の溝に籐を押さえこみ、タッカーで固定します。
はみ出た籐を切断して、溝に糊を均一に塗り込みます。
そこに溝を埋めるように籐芯を打ちこんでいきます。
はみ出た糊をふき取って完成です。

はがした現物はこんな感じです。
籐芯は糊でカチカチに接着してあるので、ある特殊方法で傷なく取り外しができるのが当社の特徴です。
決してドリルやルーターでフレーム傷はつけません。
はがした後はこれらの材料の中から選んで張り込みます。

網目はこのように、かご目や四つ目のサイズ違いから、張り込む際に必要な籐芯も各種太さを取りそろえています。


ただし、全体の塗装はしておりません。シロ(材料色)のままでの張替となります。
張る時も少し工夫があり、仕上がりは叩くと音がするくらいパンッと張りが出るようにします。
張替のお問い合わせは

レカロシート  ラバーマットの修理

レカロシートの底についているハンモック状のラバーマットの破断でお困りの方は多く見えると思います。
ゴムなので、経年劣化で突然断裂します。
ラバーマットが断裂してしまうと、クッションが落ちてしまい乗ってられません。

こうなったら終わりです。
みなさん苦労して修理されているみたいです。
そこで代替品で修理します。

純正部品もあるのですが、椅子などの底に使用する特殊な布。ポリエステルエラストマーとポリエステルで構成された丈夫で弾力があり、伸びない材料です。
ゴムや帆布などで補修も可能ですが、この材料が最適だと当社は考えます。
ゴムベルトやバネなどのクッション材の補助として使用しています。
ベニアをくりぬいて、この布を張り、ウレタンを乗せて張り込みをすると、見た目の薄さよりも大きなクッション性が得られます。
どんな布かと言うと

この椅子に使われている物とほぼ同じです。
ただし、修理に使う物は見えない場所なので、目の詰まったごつい物となります。

はい、出来上がりです。
このシートは3年ほど前に、当社で張替えをしたものでした。


表皮の皺もなく、型崩れもなく、まだまだ使える状態に職人も喜んでおりました。