シートの防水 Waterproofing of seat

「社外品の既製品シートを購入したけど、縫い目から水が入り、晴れたにバイクに乗るとウレタンにしみ込んだ水が縫い目から出てきて不快」
と言うご相談を受けることがあります。

当社のシート加工には全て防水加工が含まれております。
(一部ビックスクーターや特殊形状、シートヒーター設置のシートには防水加工が出来ない場合があります)

防水の方法は縫い目に防水加工を施したり、シートカバーを張る前にウレタンにビニールを被せる方法などがありますが、当社ではどれも試しましたが、耐久性や座り心地などに難があり、また防水性も完全ではないためEVAのシートをウレタンに全面接着しています。
ノーマルシートからアンコ抜き、アンコ盛り全てのウレタンに、このように1枚で全体を包みます。
断面図だとこのようになります。
完全にウレタンを包んでしまうので、空気抜きがないシートベースの場合、何カ所かに空気穴を開けさせてもらっています。空気穴が無いと座った時に圧縮された空気の逃げ場が無くなり風船が破裂するようにパンクしてしまいます。また、空気穴が無いと、座った時に抜けた空気が体重移動時に瞬時に戻ってこないので十分なクッション性能が発揮できません。

このように全体をコーティングすることでウレタンの寿命もアップします。

DIY用に防水用のEVAの販売しています。

接着剤やノグチオリジナルウレタンも販売しているのでDIYしたい人はぜひご注文下さい。

ウレタンに水が浸み込むとカバーに包まれたウレタンはなかなか乾きません。
乾かないどころか、水を含むことで劣化が進みクッション性能が落ちます。
当社では防水の加工のみも承っております。

今年も皆様からのご注文をお待ちしております。

宜しくお願いいたします。

 

 

 

謹賀新年 おかげさまで野口装美は50周年!

新年あけましておめでとうございます。

もう一つおめでたい事がありまして。
野口装美が創業から今年で50年を迎えました!



1969年に私の父親が23の時に「野口装備工業所」を創業し、その8年後に法人格「有限会社野口装美」となり今に至ります。
創業した1969年に私が生まれたので、会社と同じく私もとうとう50歳です。

ちなみにこれは父が18の時の写真です。
まぁ血は争えません。親子共々やってる事は同じです。
父は23で起業し、私は23の時に初ラリーでオーストラリアンサファリ。
ちなみに父は1997年に51歳の時、病気で死んでしまったので、それ以降私が会社の代表を務めて今に至ります。
早いもので、既に20年以上代表をしています。

ちなみに創業当時は観光バスの張替がメインの仕事でした。私が代表になるまで続いていました。
現在は観光バスの張替をやめ、バイクシートカスタム、医療用椅子、各種フィルター縫製、特注椅子など、張りや縫製加工をメインに様々な分野で当社の加工技術を生かした製品作りをしています。



そして50周年という年にアルジェリアのラリーにも出場できる今の環境もありがたいと思っています。
先日、友人から「50歳の誕生日は盛大に祝ったほうが良い!」と言われたので、ラリーは自分にとってのいい誕生日プレゼントになりそうです。

まだまだ、知らないことや見たことないものが世の中にはたくさんあります。
会社の継続も大事なことですが、自分自身を磨いて心身ともに健康な生活が送れるように進んでいこうと思います。それが会社の発展と継続に繋がるのではないかと思います。

と言うわけで、本年も宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

トゥアレグラリー用シート Rally seat for TuaregRally2019

ダカールのスタートまで1か月を切りました。
そして、私の出場するトゥアレグラリーアルジェリアのスタートは4か月を切りました。
8月にエントリーをして、もう12月です。
準備と言っても特にすることはないので、バイクの乗り込み主体ですが、出来るだけ体を慣らすため毎週末CRF450Lで山や河原を走っています。
さて、今回のラリーも自分のスペシャルシートで走ります。


マシンはハスクバーナFE501 2018モデルと聞いています。
たぶんこんな感じなんだろうと思います。
見たまんまシートが薄い。
現物も近所に無いので跨ることもできず、カタログ数値からシートの形状を決めたいと思います。
カタログを見るとシート高970mm・・・
高いです。私の身長は185cmですが、細身のシートとは言え大きくあんこ盛りができません。
でも、クッション性は欲しい。
なので、後方をめいっぱい幅広にして、クッションの厚みは中央を10mm、後方は15mmアップと行きたいと思います。
では、改造開始。
細くて薄いです。そして硬い。
ではカバーを外します。

このシートは、全体に薄いため底付きしないために低発泡のいわゆる硬いウレタンが使用されています。
ある程度の厚みがある中央から前部にかけてこの硬さのままだと、せっかく厚みがあるのにクッション性がない状態になるので、このような形状にしてクッション性を上げているのだと思います。
しかし、このままだとへたりが早いので、この部分も改造します。
先ずはセンター出し。
シートにセンターラインを引くのはなかなか難しいのですが、こうしてレーザーで墨付けすればあっという間です。
ノーマルの高さを計測します。
シートベースが付いたままなので、この数値はウレタンの厚みではありません。
盛る前に先ずはノーマルウレタンを削っていきます。
20mmほどノーマルウレタンを削り取りました。
また、後端から100mmは厚み5mm程度しか残っていません。
この時点で先ほどの穴が出てしまっています。
この部分は同じ硬さのウレタンで埋めることにします。
作業に集中してしまい工程写真が抜けていますが、削ってできたベースに衝撃吸収材T-NETを貼り付けて一旦整形。
次にノグチオリジナルウレタンをシート全体に貼ります。
ここで重要なのは、全体に1枚でウレタンを貼るという事です。
500x1000mmサイズのウレタン1枚を使い、そのほとんどを捨てることになるのですが、このやり方が一番大事なので贅沢にウレタンを使用します。
どんどん削って自分が理想とする形に整えて行きます。
削ったエッジを見て分かるように、ノグチオリジナルウレタンは作業性も良いので綺麗なエッジが効いたシートに仕上げることができます。
削ってはラインを引き直しの繰り返しです。
こうして比べると着座い位置の幅広が良く分かると思います。
薄いシートでありながら、初期の沈み込みからボトムでのお尻の安定を図ることが出来るシートになったと思います。
あとは自分で走って、その効果を試すだけです。
そしてカバーはウルトラスエードとビニールレザーのコンビ。
完成です。
お世話になるメモツアーの刺繍も入れてみました。
レースが終わればこのシートは置いてくるので、メモツアーにとっても当社にとってもメリットがあるような広告になればと。と言うか、黒のカバーに黄色のロゴ刺繍って映えるので入れて正解でした。
とりあえず、シートとハンドルを送ってセットアップをしてもらいます。
こうして事前準備が進んでいくと、どんどん気分も盛り上がってきます。

 

 

新色追加です。 New cover materials.

バイク用ビニールレザーに新色追加です。

今までB-40として当社ビニールレザーカタログに載せていた物が廃盤となりましたが、新たに同じようなスエード調ビニールレザーでブラックとネイビーが加わりました。
適度なすべり止め効果があり、座り心地もスエードのような起毛感があります。ビニールレザーなので当然水の浸み込みはありません。

オン/オフ問わず、このマットな感じを生かしたカバーデザインが出来たらいいなと思います。

さて、世の中にはビニールレザーは様々なところで使用されています。
しかし、全てのビニールレザーがバイクシートに適しているとは言えません。
当社が使用するバイク用ビニールレザーは非発泡レザーと呼ばれるものが殆どです(例外もあります)
非発泡があれば発泡レザーがあるわけで、その違いが以下の図です。
一般的に家具用レザーはトップ層(厚み数十ミクロン)の下に発泡層と呼ばれるスポンジ状の層があります。これがあることで年中、温度に関係なく柔らかな風合いを保つことができます。
家具用ビニールレザーは色も豊富で、表面の柄も様々です。
ちょっとわかりづらいですが、黒いトップ層と白い基布に挟まれて厚みの大部分を占めるグレー部分が発泡層です。

一方、バイク用レザーは家具用ビニールレザーと同じ厚みだった場合、トップから底に貼り付けてある補強用の基布までが全てPVC(塩ビ)です。なので、家具用に比べたら柔らかさは劣りますが、厚み全てが塩ビなので、家具用と違いひっかきによって表層が直ぐに破れてしまうことがありません。
色のバリエーションはそれほど多くありません。
底の白い基布から上がソリッドなPVC(塩ビ)です。

家具用ビニールレザーを爪でひっかいてみると割と簡単に削れてしまいます。
もちろん椅子などに使用する場合、通常の仕様であればそう簡単に破れる物ではありません。実験なので必要以上に力を込めてやってます。
このように表面の皮が破れれると、中間の発泡層には強度が殆どないので直ぐに底の基布まで穴が到達してしまいます。

一方バイク用シートだと
ペーパーナイフの先で強く擦っても、塩ビが削れますがなかなか底の基布までは辿り着きません。もちろん、突き刺せば簡単に破れてしまいます。

バイクシートは家具に比べて摩擦が大きく、特にオフロードの場合、泥などがついたままライディングを続けるとヤスリでカバーを削る行為と同じになります。
なので、当社では非発泡レザーを基本にラインナップしています。
ビニールレザー全体の厚みではなく、表面層の厚みが重要なのです。
また、基布については今回触れませんでしたが、この基布も様々な種類があり基布によって仕上がりや強度が変わってきます。
なので、当社では発泡レザーでもバイクに適したものは使用しています。あくまでも適材適所という考えです。

ショーモデルであれば耐久性より色や模様が重要なので、材料を選ぶ場合は目的に合ったものを選びたいと思います。

その為にも、お客様にご提案できる知識をより多く持って、臨機応変に材料提案が出来たらいいなと思います。

450ラリーレプリカ?? CRF450RALLY Replica

イタリアのミラノで始まったEICMA2018
ホンダブースに展示されている1台のマシン
CRF450Lをベースに製作されたプロトタイプCRF450RALLY レプリカ。

このシートをノグチシートが製作しました。
シートは製作しましたが、このシートを製作する段階でもこんなマシンとは知らず・・
シートの図面に基づいて製作したのみなので、このマシンの詳細は何も分かりません。
どんな架装がされていて、発売するのかどうかなど分かりません。
先日写真をFBやインスタに上げたら、思った以上に海外から問い合わせが来て、いつ発売なんだ? 誰が作ったんだ? などなど。
ありがたいことにCRF450Lのシートの依頼もちらほらあって嬉しいです。
それとシートにノグチロゴを添付させてくれたHONDAの懐の深さにも感謝します。



一緒に展示されている本物のCRF450RALLYと並べてみました。


こうした写真が直ぐにイタリアから届くというのも時代だなぁと思うし、「野口のシートが付いてるの?じゃぁ写真撮ってくるよとイタリア在住の友人が撮って送ってくれるっていうのもありがたいです。

気になる人もいると思うので書いておくと、と言うか自分が一番気になって仕方がないんですが、シート先端右側に皺が出ているんです。
椅子の張り屋において皺というものは恥でしかありません。
わざわざ皺を作って出荷するなんてことはなく、何らかの要因で発生したんだろうと思うのですが、こういった皺が出ないためにもあらゆることを想定してシートを作らなければといつも思っています。いつも思っていても、こうした問題は出てしまうものです。毎回反省しながら前進するしかないですね。

実際に発売された嬉しいなぁ。ノグチシート付きで!