改造できないシート インテグラルスキンフォーム

こうして写真で見ると、普通のバイクシートに見えます。しかし、張替えも形状変更などの改造ができないシートなんです。(やったとしても力技的な作業なのでお勧めできません)

裏を見てみましょう。

寄って見ます。

表皮が張り込んでありません。シートベースもありません。表も裏も同じ素材です。裏側をよく見ると所々にフレームや鉄のベースなどがインサートされています。
こうした作りをインテグラルスキンフォームとかインテグラルフォームなどと呼びます。


これらは、金型にウレタンを注入して、非常に耐久性のある表面層(スキン層)とクッション性を持つコア層を持つウレタンフォームのことを言います。
金型の形状を忠実に再現できるので、シートの座面部分には革の模様や特殊な滑り止め模様などもつけることができます。造形性が高いので表皮の張り込みが不可能な形状も実現でき、芯材との一体成形も可能なので、生産性が高く幅広い分野で使用されています。バイクシートで言うと古いですがTZR250やNSR250、モトグッチ、ドカティの一部車種。最近ではBMW450Xのシートがそれでした。裏側を見てタッカー針やブラインドリベットが無く、ツルンとしていたらこれの可能性が高いです。シートの改造や張替えで、自分のシートが改造可能かどうか判断つきかねる場合は裏側の写真を撮っていただければ、それを見てご返答差し上げます。