海外からバイクシートの注文

3年ほど前から海外からの問い合わせがチラホラ来るようになりました。
いままでの実績はドイツ 香港 オーストラリア ロシアなど。
ほとんどが「ラリーでおたくのシートを見て触ってまたがって気に入ったから同じ物が欲しい!」ですね。
日本からDUCATI関連の雑誌を取り寄せている人が、当社で作ったドカティモンスターのシートを見て「私の妻にプレゼントしたいので作ってほしい」と言う注文もありました。
さて今回はロシアから。
モンゴルのラリーで知り合い、その縁でシートを作ったパベルから再度メールが来た。

彼のバイクはWR450のラリー仕様。
・・・・僕の友達が野口のシートが気に入ったので作ってくれないか?バイクはWR450Fなんだけどね。作ってくれるかな・・
お安いご用です。
英語は得意ではないけど、英語でのやり取りなら何とかなる。と言うか何とかしなきゃいけないんですけどね。
彼とはモンゴルのレースで知りあったんだけど、私はオフィシャルなので会話する機会がほとんどなかった。だから彼とは、ほんの少ししか会話してないんだ。
ちゃんとした会話なんてチェックポイントで彼が到着して開口一番
「ノグチサーーン。チェックカード入れの蓋が上手く閉まらずパタパタしているうちにチェックカードが飛んで行ってしまったじゃないか!」でした・・。
マジックテープの強度が弱かったみたいで申し訳ないないと謝ると
「いいんだ、なくしたのは俺だ。次作るときは無くならないようにしてよ」って、まぁさっぱりと気持ちのいいこと言ってくるナイスガイのイメージが残っていた。

チェックカードがなくなってチェックポイントで休憩するパベル。
その後メールのやりとりもないまま時間が過ぎて行った。
1年後
友人の山田さん(バイオディーゼルアドベンチャー)がバイオディーゼル燃料を自分で精製しながら地球を一周するというプロジェクトをお手伝いさせていただいた縁もあって、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパと順調に進み、道中連絡をもらって旅を見てきた。その旅の終わりが見えかけたところで私にメールが入りました。「バイオディーゼル精製に必要なエタノールが足りない」「ロシアまで持ってこれない?」という冗談半分本気半分の連絡・・
持っていくって、そもそもエタノール持って飛行機に乗れるのか??国内の協力者たちと残りのエタノールでどこまでいけるのか、他に方法がないのかやり取りをしているうちに思いだした。
パベルがいるじゃん!
今、山田さんがいる場所からパベルの住むチタ市までそんなに遠くない。ひょっとすると何とかなるかも。だめもとでパベルにメールを送る。1時間もたたないうちに返事が来た「すべて了解したよ!メールじゃ駄目だから山田さんの携帯番号を教えてくれ」やった!おーーーーっし!早速やり取りをするうちパベルと山田さんはパベルと無事合流して、エタノールからトレーラーの修理など言葉にならないくらいお世話になった。
その時の様子はここに詳しく書いてあります。

山田さんとパベル
人とのつながりの大事さを改めて考えた出来事でした。
うちのシートのユーザーが世界中に増えて行くのもうれしいですが、メール一つで動いてくれる友人が海外にいると言う幸せと、そんな自分が逆の立場になった時にはちゃんとお返しができるように心に余裕と感謝の気持ちを忘れないようにしていなきゃと思うこの頃です。