サドルシート

先日買ったポストミシン
これを使って、シート担当の足立が新しいシートを作っています。
ヌメ革やサドルレザーを使って、鉄板ベースに綺麗な3次曲線を描いて革が張ってあるそれです。

3mm厚のサドルレザーは硬くて加工しにくいが、ある方法を使うと、伸びたりプレス加工したように絞ったり出来ます。
こうした形状があって硬い物はポストミシンでないと縫いにくいのです。
裏の革も合わせて合計6mmの厚さを0番(太い糸)の糸で縫っていきます。
手縫いの味もあるでしょうが、当社はミシンを使って一般的サドルシートともう一つ、何かをしたサドルシートを作っていきたいですね。

使い慣れないポストミシンは、まだステッチ幅が安定しません。
しかし、これも慣れです。数をこなすのみです。
どんどん作って綺麗にしか出来ないように腕を上げればいいのです。

コバも塗ります。塗っては磨き、磨いては塗り・・・。一般的なビニールレザーの張込とは違った加工がたくさん入ります。
中に入れるウレタンも一般的なチップやハードウレタンではなく、革がお尻に馴れていくように、そして快適に!クッション材もそれにあったものを選択しなければと思います。
これもいずれ販売していくのでご期待ください

ノンスリップレザー

ノンスリップレザーはオフロードバイクだけではなく、オンロードでもよく使用します。
シートの上でお尻が滑るとポジションが安定せず、乗車に余分な力が必要になり、疲労の原因にもなります。
また、コーナリング時や加減速時に体が動いてしまうのも嫌ですね。
だからと言ってまったく滑らない物にしてしまうと、滑らせたいときに滑らず、足を付くにも問題が出る場合もあります。
滑り止め効果の高い座面にすると、パンツと座面は滑らないせいで、パンツが座面に固定されたままお尻が動くので、パンツが股間に食い込んだりして不快になることもあります。
なので、走るシチュエーションや求める性能で滑り止めの強さを選ぶ必要があります。
当社が使用するビニールレザーレザーは、バイク用に開発された物、もしくはバイクのシートとして使用に耐える物のみを使用しております。
滑り止めレザーはカラーサンプル帳にも掲載しておりますが、新しい素材も入ってくるので滑り止めレザーを使いたい方はお問い合わせください。
紹介する上から滑り止め効果の高い順となっています。
B-13

表面が起毛したような風合いです。柔らかな毛のようなビニールがしっかりとパンツに食いつきます。マディや雨でも滑りません。あまりにもグリップ力が強いので一般的な使用には向いておりません。ジムカーナなどをやられている方もよく使われます。フルバケットシートの座面に細く縫い付けて滑り止めに使ったりもします。
B-30

起毛はしていないが、さわり心地がラバーライクで滑り止め効果が高いです。B-13は汚れが落ちにくい面もありますがこちらは汚れが落としやすいです。
B-33

B-30と同じような粘りのある滑り止め効果を持っています。表面は細かいダイヤ柄です。
B-12

サンドレザーと命名した当社オリジナルのレザーです。荒いサンドペーパーのような表面なのでパンツによく食いつきます。しかし、ゴム系の材料を混ぜ込んでいないので、粘りのある滑り止め効果はありません。
滑らせたいときに滑る。止まりたいときに止まるビニールレザーです。オンロード、オフロード問わず、一番使用されている滑り止めレザーです。
B-31

ツヤのあるファブリック柄のビニールレザーです。この柄の凸凹が適度な滑り止め効果を生みます。
アルカンターラ‐–エクセーヌ

アルカンターラも滑り止め効果があります。強くグリップすると言うわけではありませんが、適度な安定感があります。何より蒸れないと言う点で、夏場のビニールレザーに比べたら快適度は数倍上です。
こう書くと、これ以外のビニールレザーは滑って良くないように思われる方もいるかと思いますが、そうではありません。一般的な革の模様が付いたビニールレザーでも問題なく使用できます。
ノーマルや更にシートの性能を上げたい場合の参考になればと思います。
ちなみに、よく受ける質問にディンプルレザーはどのくらい滑り止め効果がありますか?が、あります。
当社品番で言うD-01から始まるディンプルレザーですが、これにすべり止め効果はありません。一般的なレザーと大差ありません。もしくは少し滑るくらいですね。(もちろんシートとして使用できる範囲での話です)

ビモータ bimota db2  シート形状変更と張替

以前にビモータdb2の張替えをさせていただいた方から、シートストッパーの形状変更と張替の依頼がありました。


アルカンターラとパンチングアルカンターラを組み合わせた張替え。
今回はこのシートストッパーを新しく入手されたということで、希望のカットラインをシートに書いていただき送っていただきました。シートベースとなるFRPまでカットすることになるので、事前に写真を何点か送っていただき打ち合わせをしました。



先ずはこのラインに沿ってカットをして、一旦返送して装着確認をしていただきます。
大きく形状変更する場合などは、こうして作業途中で確認いただくことが可能です。
完成してからだと手直しができない場合や、余計なコストがかかってしまいます。


お客様から確認のメールと写真が届きました。要望事項も記載されています。
細かな指示をいただくと、その分作業の間違いも起きづらいので、作業者も依頼されるお客様も安心です。

かなり薄くなったので、ご希望されていたデザインで張りこむと、縫いしろが邪魔をして凸凹する部分が出るのため見苦しいと判断したので、1枚貼りのイメージもつけて再度確認いただきました。
再度の確認をいただき完成しました。


お客様からのメール
『完成品シート、無事に受取を致しました。
 相変わらずの素晴らしい仕上がり具合で、実走行でのテストでも狙った通りの効果が得られて大変満足をしております。色々と細かい注文にも応えて頂きまして、ありがとうございました』
こうして満足いただけるシートを作ることができて、当社も同じようにうれしい限りです。
シートの形状確認をしていただく場合、お客様の送料の負担は増えますが、理想の形がある場合などはこうした確認をしたいと事前に申し出ていただければ対応いたします。お気軽に問い合わせください。
野口装美 0575-28-2057

防水コーティングの効果

当社のバイクシートの改造や張替をするとき、必ずウレタンに防水コーティングを施します。
当社の防水コートは、ビニールでウレタンを覆ったり、縫い目に防水処理という物ではありません。
ウレタン全体に厚み約1mmの特殊な防水発泡体を接着します。
シート全体を完全に覆うのでウレタンに水が入りません。
縫い目から水の浸入はありますが、いつまでも水が染み出してくるようなことはありません。
また、エクセーヌやアルカンターラを張りこんだ場合でも、その素材自体に保水はしますが、乾いたウエスで水をふき取って、少し日光に照らせば乾きます。
ウレタンは空気の出入りによってその弾力を維持しているので、時にはベース裏の空気抜きを増設したりします。
ウレタンを完全に包んで、いわば風船のようになったシートがパンクしないようにそのような処置をしております。
この処理を施すことによって、ウレタンの寿命も伸び、座り心地も若干固めの腰のあるものとなります。
さて、以前当社で張替えをしたシートを破ってしまったということで戻ってきました。

見た感じでは、転倒時に木の枝か何かが刺さったように見えます。
1点に荷重がかかり、表皮が裂けたようです。
普通そのような破れ方をすると、中のウレタンもえぐられる場合が多いです。
そして、当然のことながら、破れてむき出しになったウレタンに水が浸入します。
はがしてみましょう

張り込んである防水コート材はウレタンに比べて引き裂き強度が数段高いので、破れずに済んだようです。
そして、破れた後もしばらく乗ったようで、汚れていますが水の浸入はもちろんありません。
お客様に見えない部分だからこそ、見えた時にうれしい処理はしておきたいですね。
それがプロの仕事だと思っています。

CB1100 ショップオリジナル カスタムシート 大詰め

CB1100のカスタムシートも大詰めです。
今回は販売されるショップオリジナルでブラックレザーを製作しました。
落ち着いた艶で、柔らかな感じのシボ(革模様)です。
形状も決まりました。
写真はまだ試作段階。切り返しのラインやパイピングの色検討など、左右色を変えてやってます。

奥がノーマルです。見て分かるとおりリア部のボリュームとライダー部のハイシート化です。
タンデムライディングにも重点を置き、パッセンジャーの居住性も考えました。
もちろんライダー部の居住性や操縦安定性はシート幅やシート角度など検討を重寝た結果の形状です。

ノーマルシートの高さのままタンデム部のボリュームアップバージョンも同時に製作しました。
このカスタムシートは当社からの直販ではなく、バイクショップからの販売となります。
最終のまとめをしておりますので、もう少しお待ちください。