防水コーティングの効果

当社のバイクシートの改造や張替をするとき、必ずウレタンに防水コーティングを施します。
当社の防水コートは、ビニールでウレタンを覆ったり、縫い目に防水処理という物ではありません。
ウレタン全体に厚み約1mmの特殊な防水発泡体を接着します。
シート全体を完全に覆うのでウレタンに水が入りません。
縫い目から水の浸入はありますが、いつまでも水が染み出してくるようなことはありません。
また、エクセーヌやアルカンターラを張りこんだ場合でも、その素材自体に保水はしますが、乾いたウエスで水をふき取って、少し日光に照らせば乾きます。
ウレタンは空気の出入りによってその弾力を維持しているので、時にはベース裏の空気抜きを増設したりします。
ウレタンを完全に包んで、いわば風船のようになったシートがパンクしないようにそのような処置をしております。
この処理を施すことによって、ウレタンの寿命も伸び、座り心地も若干固めの腰のあるものとなります。
さて、以前当社で張替えをしたシートを破ってしまったということで戻ってきました。

見た感じでは、転倒時に木の枝か何かが刺さったように見えます。
1点に荷重がかかり、表皮が裂けたようです。
普通そのような破れ方をすると、中のウレタンもえぐられる場合が多いです。
そして、当然のことながら、破れてむき出しになったウレタンに水が浸入します。
はがしてみましょう

張り込んである防水コート材はウレタンに比べて引き裂き強度が数段高いので、破れずに済んだようです。
そして、破れた後もしばらく乗ったようで、汚れていますが水の浸入はもちろんありません。
お客様に見えない部分だからこそ、見えた時にうれしい処理はしておきたいですね。
それがプロの仕事だと思っています。