ビモータDB5Cのシート bimota DB5C

ビモータDB5Cに乗られるお客様からご相談を受けました。


〔バイク〕2005年型bimotaDB 5C
〔使用状況〕サーキット走行会に年3、4回。
日帰りツーリングに年3、4回。
〔相談内容〕サーキットでコーナー手前のブレーキング時、腰をずらし、タンクと接している外足内側で減速Gに耐えるようにしているのですが、シート幅が狭くあまり腰をずらせないため両腕に力が入ってしまいます。またシートスポンジが少し柔らか目なことも要因と思います。
①シート幅を拡げる方法として、ベースを造り直す、ベースを加工する方法もあるようですが、対応されていますか。又どのくらい費用がかかりますか。
② シート幅を拡げる方法として、ベースをいじらずスポンジだけで拡げる方法もあると思います。
私が見たところ、拡げたい範囲のベースの形状が比較的フラットになっており、ベース幅ギリギリまで座面を拡げると片側で最大15㎜位拡大できそうに思います(写真参照)。この拡大とスポンジを少し硬くする事によって、有効な効果は得られるでしょうか。費用対効果はどうでしょうか。
③スポンジは、日帰りツーリングもするため、スポーツ走行とツーリングを両立できるスポーツ走行よりの設定にしたいと思います。なおシート高は現状維持で。
④シートカバーですが、機能的には、グリップが良く(ビニール程度以上)かつ、あまり左右にお尻をずらしにくくならないものが良いです。
外観的には、通常時、オレンジのカウレザーのシートを使用しており(添付写真参照)、これがデザイン的に一番合っているのではと思うのですが、グリップの良いレザーにオレンジがない場合や、オレンジがあっても色合いが大きく違う場合などは、座面と周囲で分けツートンにするのも良いのではとも思います。
さらに質感的に座面はスエード調など表面感のあるものも良いなとも思います。色々ご相談しながら決めたいと思います。
⑤仕様が決まっていないので難しいとは思いますが、このベースをいじらない場合の、だいたいの費用と納期はどれくらいでしょうか。

添付写真について。
・黒レザーシート→加工対象
・オレンジのカウレザーシート→通常使用

このような要望をいただき、幅広可能な範囲や幅広にする限度寸法などメールで何度かやり取りをして、最終的にこのような内容でご連絡をいただきました。
オリジナルロゴの部分は刺繍で入れることにしました。

そして完成がこちらです。


お客様より感想をいただきました。(品番など加筆しています)

まず仕上がりですが、さすがに丁寧な仕上がりでした。バイクへ装着時に車体と当たる所へ当て皮がされていたことがとても嬉しかったです。
バイクへ装着した感想は、手前みそにもなりますが、デザイン、カラーがバッチリで予想以上のマッチング、高級感です。
そして座った感想は、まずグリップレザー(B-33黒)のグリップ感がすごく良い感じです。
次に少しの幅の拡大でしたが、スポンジの硬さがアップした事と相まって、左右へ荷重を掛けやすくなりました。
早くこれでツーリングへ、サーキットへ行きたいとワクワクしています。
今回、ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

シート加工依頼についてのお願いです。

ノグチシートのブログをご覧いただきありがとうございます。

現在、ノグチシートではシート加工は予約制となっております。

メールや当社での打ち合わせ後、その時点での予約可能日をお知らせしております。

納期については加工内容にもよりますが、予約日にシートが到着して3-4週間いただいております。

問合せのメールは随時受け付けておりますので、質問など遠慮なくお送りください。

直接、当社で打ち合わせを希望されるお客様は、事前に予約をお願いします。

Norton Commando961 ノートンコマンド961の張替

ノートンコマンド961の張替のご紹介です。

ノーマルシートは下の写真のようにのっぺりとした感じです。

このシートをWEBのカラー見本には載っていませんが、黒のレザーで張替をしました。


艶を押さえた黒ビニールレザーです。

座面にラインを入れることで、車体に入っているピンストライプと相まって、より一体感が出たと思います。
お客様にも喜んでいただけて良かったです。

ありがとうございました。

ウルトラスエード(アルカンターラ)の洗い方


 ウルトラスエード(アルカンターラ)で張替を希望されるお客様からよく質問される、ウルトラスエードの洗い方やお手入れについて動画で説明します。
動画編集が全くダメダメで、雑音もたくさん入っているので無音の地味な動画ですが、これを見れば当社で張替たウルトラスエードは、特に気を使うことなくお使いいただけるとご理解いただけると思います。

1. 先ずはウルトラスエードに水をかけてください。
当社で張替える場合、ウレタンに防水コートを施します。なのでこのように水をかけてもウレタンに水が浸み込んで、いつまで経っても水がしみ出してくることはありません。

2.洗剤をつける
グリスを落とすような強力な洗剤ではなく、少し弱めの洗剤がお勧めです。

3.擦って汚れを落としてください。
ブラシやスポンジなどでかまいません。汚れがひどい場合は繰り返してください。

注意:高圧洗浄機でウルトラスエードを洗うことは絶対にしないでください。

4.汚れが落ちたら水でしっかり流してください。

5.乾いたタオルで水分を取ってください。
ウルトラスエードの起毛の流れは、後ろから前に流れるように裁断してあります。なので、水分を取る時は後ろから前に毛並を整えるようにお願いします。

6.ある程度水分が取れたら終わりです。生乾きのままでかまいません。
これ以上することはありません。防水スプレーやオイルの塗布なども必要ありません。

このように、ビニールレザーと同じとまではいきませんが、それに近いレベルで洗うことができ、本革のようなお手入れも必要ありません。

ウルトラスエードはシートの温度が上がらず、お尻が蒸れにくく、そして適度なすべり止め効果もあります。水を含むデメリットもありますが、それ以上にこの素材のメリットは大きいです。一度お試しいただければこの素材の良さが分かります。以上、宜しくお願い申し上げます。

同級生のGASGAS EC250

私の同級生にバイクレースを続けている男がいます。
オフロードではなくロードレースで筑波などのレースに参戦しています。

怪我をしたり、なんやかんや、この年までやってられるのはお互い幸せだなと思うところです。
そんな彼が私のラリー参戦前に川や山などの練習に付き合ってくれたんですが、ノーマルシートの高さが邪魔をしてキック始動に手こずることが多く、特に平地ではない場所の始動は、困難極まりないという事でアンコ抜きを頼まれていたのですが、ラリーも終わって3ヶ月が経とうとしてる今頃になってやっと手をかけました。
もうすっかり見なくなった2000EC250です。この頃からエアクリーナーの容量を多くとるためにシートの見た目の厚さとは違って、上げ底のシートベースでウレタンは着座位置で30-35mm程度しかありません。黄色いラインがウレタン部分です。なので大きく下げることができません。
したがって、高さは10mm程度下げてサイドのウレタンをできるだけそぎ落とす方法で対処しようと思います。
この方法は現行モデルでもよく行う方法で、やみくもに座面を下げるとシートベースの幅が邪魔をして、低くなったのに足が出しにくくなってしまいます。
余談ですが、全てとは言いませんが、幅が広く薄いシートは少し盛ることで足が出しやすくなって足つきの向上を図ることも可能です。
こんな感じに形状変更です。
こんなに薄いなら衝撃吸収材T-NETを入れたほうが良いのではないかと言われそうですが、目的が長時間ライドではないので、衝撃吸収材T-NETは挿入していません。もう一つの理由が、この薄さだと厚みを増さないと挿入が出来ないという事もあります。
この頃のシートはKTMなども断面形状がカマボコのように丸いものが多かったですね。
このシートは10数年前に一度当社で張替をして、防水コーティングがしてあります。
カバーをはがして防水はどうなっているか確認しましたが、剥がれもなく水の侵入もありませんでした。なので、ウレタンの劣化も通常より遅く、まだしっかりしています。
防水コーティングを全て削ります。
その後、足つき良くなれと、どんどん削ります。
形が出来たら、カバーの型取りをして縫製です。
そうそう、年には勝てません。すっかりメガネが手放せなくなりました・・・。サイドがかなりシェイプされ、矢印で示したように一番低い位置も少し下げることが出来て、アンコ抜きにありがちな「すっぽりはまってしまう」シートではなく、低くなっても前後移動しやすい自由度の高いシートになったと思います。
ウレタンが薄くて高さを大きく下げられなかったからですけどね。

跨った感じそれほど大きく足つきが改善したわけではありませんが、サイドのシェイプをしたおかげで、格段にキックが踏みやすくなったようです。

また、一緒に山で練習しましょう。