縫製糸 Sewing yarn

IMG_5090バイクシートに限らず何かを縫うときに必ず糸が必要です。

糸にも種類がたくさんあって、縫う物によって素材や太さなどを変えています。厚い革を縫うときは0番や5番、8番。ビニールレザーなどは8番、20番。薄い布などは30番、50番と太さを変えていきます。糸は数字が小さいほど太くなっていきます。車両関係のカバーなどはは5番や8番が一般的ですね。

 

 

IMG_5097当社の場合、糸の素材はポリエステルかナイロン。ナイロンはポリエステルに比べて伸びがあるので、伸縮がある程度求められるビニールレザーなどのカバーリングに良く使います。しかし、耐候性はポリエステルに劣ることがあるので、使用条件に基づいて素材も変えます。変わったところでは、耐熱カバーなどはノーメックスを使用したり、特殊な所ではザイロンの糸を使った縫製品を作ることもあります。今現在は分かりませんが、数年前まで世界最強といわれていたザイロン。右の写真はザイロンの糸を燃やしている所です。燃えません。電球のフィラメントのように赤く光るのみです。煙も出ません。もちろん焼くことで強度は落ちますけど、燃えないというのはすごいです。
IMG_5098強度のある糸で縫えば縫製品は強くなるかと言えば、一概にそうでは無いと私は思っています。違うと言う人もいるでしょうが、今の所私はそう思っています。例えばケブラーの糸でバイクシートを縫ったとしましょう。糸は強いです。しかし、生地がケブラー生地ならまだしも一般的なビニールレザーであったらビニールレザーが負けて縫製したところから割けてしまいます。また、引っ張り強度と摩擦強度も重要です。バイクシートの場合ステッチ糸が常にこすれる所にあると、糸は切れてしまいます。これはケブラーなどの糸も同じです。引っ張り強度が高くても、擦れには弱い。写真のシートは世界一周を3年かけて走ったシートです。ステッチの糸は綺麗になくなってしまいましたが、本縫いの糸はしっかりしているので縫製がパンクすることはありませんでした。

さて、最近提案してもらった糸はこんなものでした。

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一般的な糸は指で撚りを戻すようにひねると右の写真のようにパラッとほどけてしまいます。
しかし、提案品は同じ素材と太さながらパラッとしません。パラッとしないと言うことは表面にそうならないための加工が施されています。その加工によって摩擦に対する強度も飛躍的に上がっているので、バイクのステッチなどには最適な糸になります。
IMG_5092と言うか、汚い指先でごめんなさい。爪は伸ばさない派です。

なぜこれがいいのかと言うと、ミシンで縫製するとき、縫製スピードによっては、この撚りがほどけて糸切れがしやすくなったりします。また、切れなくても撚りが戻った状態の強度がおちた状態で縫えてしまう場合もあります。そんなときは縫い直しですが、やはり人間が行なうものですから見落としなどもあります。なのでより性能のいい材料を使うことでおのずと製品のクオリティが上がりますね。糸を気にしなくてよくなった分、他の事に気を使えるので当たり前の話しなんですけどね。

糸に限ったことではないけれど、素材には常にアンテナを張ってより良いものを使って、製品を作って生きたいと思います。

いよいよ明日! X-Fighters in OSAKA TODD POTTER

日本初開催となるフリースタイルモトクロス、エックスファイターズが明日大阪城の特設会場で行われます。レッドブルが主催するこの大会は、世界各国から選ばれたライダーしか出場することができません。
キャプチャYouTube Preview Image
そして今回、アメリカからやってきたトッドポッターJCR/HONDAがマシンのセッティングを担当しています。チーフメカニックのエリックはトッドポッターと一緒にワールドツアーを回っています。今回はバハ500と重なるために来てません。

ちょうど一ヶ月ほど前の事。IMG_4522
メカニックが来れない時は自分で工具を持って行くんだけど、そのために野口の工具巻が使いたいってことで、トットポッターの名前入りで送ったんです。それが届いてから、JCRの花輪さん、いや通称 あくまさんから悪魔のささやきのように(トッドがシートカバーが欲しいと言ってます。座面に大きく漢字で社名入れましょう。日本じゃアレでしょうが、海外では受けます)漢字?!
漢字かぁ
画像 024シートに漢字といったら、天に向かってそそり立つ三段シートの背面に刺繍された仏教用語しか連想できないじゃないか。あーーどうしよう、と返事に困っていると、花輪さ  いや、あくまさんがシートの写真に漢字を載せた絵をどうせやるならと2-3点作り・・・・・

案トッドは一番右が良いと言ってます・・・・という、連絡があくまさんから来た・・。(^^;;;;;)

困った・・・。社員に案を見せたら、いつもはそれほど反対しないのに、一言 「漢字?ダメです」だって。社長でありながら中間管理職のような、それぞれの意見の板挟みに胃が痛くなる。

しかし、大阪大会で野口シートをアピール出来るなんて、こんなチャンスは無い。しかも、シートの座面と言う広いキャンバスが与えられるのはフリースタイルモトクロスならではのことでもある。
いずれにしても何か答えを出さなければ次は無い。結論を出すのは必ず自分なんだけど、結論を出すためには沢山の意見をまとめて判断したい。なので友人に相談。「漢字面白いじゃん」とか、「いや、野口が言うように漢字はアレなところもあるからカタカナでも良いのでは無いか」「漢字なら字としてでは無くその形が重要だから、既存のフォントでは無くて筆で書いたものを使うか」などなどなど さまざまな意見と案を忙しい友人たちが送ってくれた。
まだ悩んでる。と言っても時間はない。
案2 そして、出した結論は

たくさん作って、その中から選んでもらう。

と言う、なんとも軟弱な結論でした。
cover2013osaka

レタリングの事ばかり考えていてはいけないので、シートに求められている滑り止めの性能も考えなければならない。なので滑り止めの強度違いを三点用意して、それぞれに数種類のレタリングを施しました。
出来上がりをみると、なかなかどうして、漢字も捨てがたいなと。カタカナもイメージとしては通天閣の看板ぽくてこれもいい。
そしてアメリカへ発送。
トッドがカバーを受け取ったとの報告は受けたけど、その後連絡はなし。
最悪どれもボツかと思っていたらトッドからメールが来て、野口のシートカバーありがとう。大阪では野口のシートカバーをつけて飛ぶよ!って。嬉しいけれど何を選んだのかは聞いていなかった。

どのカバーを選んだのか分かったのは昨日のことでした。
213osakatodd

くぅぅぅーーーーーーーーーーーーーっ!
漢字だーーーーー!
なかなか良いじゃないか、カッコいーぜ!
悪魔の囁きと言ってすみませんでした、花輪さん。

と言う事で、私もありがたい事に友人から招待してもらえたので、明日トッドポッターと野口シートが大阪城をバックに華麗に舞うところを観に行って来ます。
楽しみーーーーーー!

野口装美の夏服 Uniform

当然のことだけど夏は暑い。工場内や各ブースは冷暖房完備だけど、それでも暑い。
汗水流して働くと言うが、高級な布に汗滲みは付けたくないし、汗ばんだ手で塗装前の木製品も触りたくない。なにより、暑過ぎると気力がどんどん落ちてくる。
だから暑い国は昼寝したり、午後茶したりと暑さに対して無理をしないんだな。
IMG_4860なので、ここ最近は毎年夏になると、作業着として社員全員に好きな色のポロシャツを支給しています。涼しいし、一応襟付きだしね^^。

野口装美のユニフォームとして胸にはロゴマークをあしらってます。社員としてのプライドを持つことは大事ですからね。

好きな色のシャツを着て仕事をしたほうが気分が良いですから。
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さて、これを着て暑い夏を乗り切ろうと思います。

 

小銭入れ Leather work

最近、財布は二つ持つようになった。持つといっても常に携帯しているわけではなくて、メインお財布は札とカードのみ。札で支払ったお釣りの小銭を小銭入れにという感じです。車での移動が殆どなので、小銭入れはいつも車の中にほったらかし。
先日、車の中に入れっぱなしの小銭入れが、車上荒らしによって盗まれてしまった。
その小銭入れも自作したやつで、手に馴染んできたころだったのでちょっと残念でした。

新しく買っても2-3000円程度でそこそこのやつは買えるので色々探していたら、自分で作れそうな物が何点か出てきた。

材料の革は色々と在庫があるので先ずは一個。30分くらいでできちゃった。
69000_543682325681981_367715822_nこれね、できて持った瞬間に「使えそう」な感じが伝わってきた。当分これで満足かな。

そして、この写真をフェースブックにアップすると「かっこいい」「欲しい」「いいね」なんてコメント貰っちゃって、そうなると単純な私としては制作意欲どんどん湧いてきて、誰かのためにというわけでもなく第2弾を作ってみた。
他にも豚革、トカゲ革、ウオッシュ革などで作ると、どんな表情になるかがみたくなりやってみました。(だいたい失敗するパターンなんですけどね。でも、ボタン位置や形状は作ることでどんどん安定していくんです)

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一応、革に腰を持たせるために裏側にも薄い革を接着してあるんです。
革の端面にはエッジコートもちゃんと塗ってます。
2たったこれだけの構造なんです。この大きさだったらハンズの端切れ売り場に100円とかで売ってるんじゃないかな。ボタンなんか8個で300円だしね。全周のステッチは革の厚みによっては家庭用ミシンでは厳しいかもしれないかな。別にステッチ入れなくてもいいしね。
簡単ですので下の動画見て挑戦してみてください。

YouTube Preview Image

アイロンプリント? Transcription logo

シートや工具巻などにロゴを付ける場合、現状は「塗装」をしております。
ビニールレザーであればこれで問題なのですが、起毛したアルカンターラや表面が凸凹したビニールレザーなどは塗装ができませんでした。
アルカンターラにも無理やり塗装をすることもありますが、擦れには弱くやがてはげてしまいます。
そんな問題を解決したいと常々考えているとアイデアが浮かぶものです。
アイデアといってもTシャツの転写シート見て思いついただけなんですけどね。
でも、これがTシャツのようには行かないわけですよ。ビニールレザーなどは高温で溶けちゃうし、貼り付いたとしてもはがれやすかったりと、やってみると中々手強いんです。
P4020240先ずはアイロンでギューーー・・・やはり溶けます。貼り付けるシートの適正温度にアイロンを温度設定をしても溶けます。
P4020241しかもすぐはがれてしまいます。
そこで、貼り付ける素材も方法も変えてシートをつけてみました。
先ずはペイントができなかった、こんな表面のビニールレザー
P4020244凸凹が深いです。
P4020243ビニールレザーの凸凹も押える形(今の所です・・これも表面の凸凹を残した形でシートを付ける方法を検討中)になりますが、しっかり付いています。
IMG_4533上手くやればこのレベルでシートの張りつけも可能です。
P4020245もちろん一般的な革模様のビニールレザーも貼り付け可能。
そしてアルカンターラにも、もちろん貼り付けできました。
P4020242

このシートのメリットは
P4020249塗装では瞬間にはげてしまいますが、シンナーなどで拭いてもはげません。
P4020253先の尖ったもので、ギジギジギジィィーーーってこすってもかなり強いです。ビニールレザーごと破れる感じです。
アルカンターラでは洗濯試験もしました。
P4020254モミモミモミモミ・・・・・・・・・・・・・・・・・温水・・冷水・・・叩いたり・・・・
P4020256揉んで絞ってもこの状況。

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そしてこのシート。
P4020247このシートに光を当てると
P4020248ビカーーーーッ  って 反射シートなんです。これは使えそうです。

まだ試行段階ですが、また1つシートのグレードアップがはかれそうです。

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