BMW R1200RTのシート

数日前に電話で問い合わせがあり、色々とお話をさせていただいたBMW 1200RTのお客様。

今日は気持ちがいい天気だから。ということで遠方より来社いただきました。

足つきに少々不安があるのと、シートヒーターが内蔵されたシートなので、アンコ抜きをしてもヒーターは同じように使えるのかという相談でした。

先ずは跨ってもらって足つきのチェック。両方のかかとが5cm程度浮いている。この程度であれば問題ないのだけど、お客様いわく「路面が悪いと相当な不安感がある」とのこと。実際、この車重だと少しふらついただけでも支えるのが困難でしょうね。

 

シートを外してもらって、ウレタンの厚みやシートベースの形状などを検証しながら、改造の内容を提案させてもらいました。ウレタンは着座位置で60mm以上あるのですが、それを全部削ってしまうと、乗り心地が悪くなるばかりか、シートベースの幅に足が広がってしまい、ガニマタになって低くなったのに足つきが悪くなってしまいます。また、このシートの場合20mm以上下げるとノーマル表皮が使えません。(*使えなくなると言うと御幣がありますが、前後のシート長が下げることで長くなる為、表皮の長さが足りなくなって無理やり引っ張って張り込まなければならないため当社では、そのような無理なテンションがががる場合は張替をお勧めしております)張替を前提として20mm以上下げたとしても、それほど大きな変化が期待できないのと、ライダー部を張り替えるのであれば、タンデムも張り替えないとかっこが悪い。コスト的にもそれなりにかかるので、今回は「ノーマル表皮が再利用できる範囲で座面を下げ、シート前部の着座に影響しない部分を極力シェイプして足を出しやすくする」という改造となりました。

内容を当社専用のカルテに書き込み、写しをお客様にお渡しして打ち合わせ完了です。帰宅してからシートを取り外して、当社に送っていただければ、シートが到着後、打ち合わせた内容のカルテに沿って作業を進めてまいります。変更がある場合は、シートを送っていただく時に変更点を書き添えていただければよいです。

 

 

 

それではシートの到着をお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

BMW R1200GS シート改造

長野県から自走で打ち合わせに来ていただいたお客様のシートが完成し、写真と感想をいただきましたのでご紹介させていただきます。
打ち合わせ時のブログはこちら

改造内容
ライダーシート
できるだけ足つきを良くする。
前へのズレを極力少なくする角度。
座面の幅は維持し、前部はシェイプする。
タンデムシート
厚みを増す。
幅を広げ、角のRを丸くする。
前部を大きく盛り上げて、ブレーキング時にずれないようストッパーをつける。
ライダーの腰をサポートできるように、前へ張り出す。
T-NETを前後に挿入する。
エクセーヌで張替えする。

シートの形状が大きく変わるため、今回も完成前に形状確認及び試走をしていただきました。
その結果、2‐3点の小さな修正の後完成となりました。




お客様から
【野口装美様へ
R1200GSのシートありがとうございました。
早々12月19(日)焼津までツーリングで、シングルで使用させていただきました。
出発午前7時、気温-6℃、往復約450㎞の走行でもお尻は痛くなりませんでした。
来季の長距離タンデムツーリングが楽しみです。
ありがとうございました。】
マイナス6度の中ツーリングと言うのは、寒さに弱い私としては考えられませんが、エクセーヌの暖かさやお客様に合わせた形状によって、寒さによる緊張状態も少しはやわらげてくれたのではないかと思います。
春のツーリングに向けて、ガレージにしまってあるバイクのシートについて少し考えてみませんか。
お気軽にお問い合わせください。

BMW R1200GS

BMWのシートは、モデルに限定されず様々な注文をいただいております。

その中でもR1200、R1150、R100などは他のモデルに比べて多く注文をいただきます。
今回はR1200GS。私も所有したいバイクのひとつです。
今回のお客様は、定年されてからバイクに乗り始めて4年目。奥様とツーリングを楽しまれているそうです。
リタイヤ後の素敵な生活スタイルだなぁと、お話を聞かせていただきました。
今回の依頼は、ライダー部の足つき性向上と、奥様の座り心地向上です。
特に、タンデムシートはしっかりカスタムしたいと言う事で、詳しく不満点を聞かせていただきました。
お尻の痛みと乗車中に着座位置がずれることなど、それら問題点を踏まえたうえで、タンデム部はシート前部を35mm上げ、シートエンドに向かって傾斜をつける。
横断面方向では緩やかなかまぼこ状にしてフィット感を出してみることにしました。


ライダー部もタンデム部も大きな形状変更となるため、一気に完成まで持っていかずに、途中で形状確認をしていただきより理想に近い形に仕上げていきます。
表皮はエクセーヌを使用。車体のカラーに合うかどうかを反物を並べて合わせていきます。

メールでの打ち合わせが多いですが、大きな変更をする場合、実車を前に打ち合わせができるとお客様にも出来上がりが想像できてよいですね。
お二人が楽しいツーリングができるように、頑張って作らせていただきます。
なかなか、完成後の装着写真がないので、今までのお客様でも装着写真があればどんどん送ってください。
このブログでご紹介させていただきます。
bike@a-seat.jpまでよろしくお願いします。

BMW R60 /5 シート再生

BMW R60/5のシートの再生の依頼を受けました。
このバイクは1969年で私と同じ年です。
41年前とは思えない位、良く磨き込まれたとても綺麗なバイクです。
京都から自走で来られたお客様のお話を聞くと、故障知らずだそうです。
しかし、思いつくたびにご自身で色々と試行錯誤されてシートの改造をされたが、これだけは何度やってもしっくりこず自分の誕生日(打ち合わせに来られた日)に、自分へのプレゼントとして当社でのシート改造を決められたそうです。
タンクとの合わせ面や全体的なフォルムを確認するためにバイクは当社で預かることになりました。
先ずは外観


ライダー部分が下がり、サイドのモールもなんども取り外しをしたために変形しています。

シートベースは若干サビが出ていますがしっかりしています。
表皮をはがします


前半分がこうなっていました。
お客様の苦労が見えます。
ウレタンを入れ替えても接着しなかったり、表面がでこぼこだったり、硬さがノーマルベースと合わないとフワフワしたり、極端に沈んだりして居心地が悪くなってしまいます。
今回はシートベースのみを再利用してウレタンを全て新品に変えました。
ボトム部に高硬度のウレタンを敷き、衝撃吸収材T-NET、そして上面には適度な弾力を有するウレタン。
最後に全体を防水加工して、エクセーヌとビニールレザーのコンビで張替え。
変形したモールは破棄して、後部のモールのみ再取付しました。


快適性を最優先にして、オリジナルにはこだわらないと言うお客様のご意見によってこのような仕上がりとなりました。