BMW R100RSとR100GS-ParisDakar シートなど

自分のバイクはシートの実験として使ってるのですが、乗り心地に関しては今のところ不満がないのと、サポートするワークスライダーからもクッション素材に関するオーダーもないので、衝撃吸収材T-NET+オリジナルウレタンのいわゆる「ダカールスペック」で良いと考えています。

もちろん、新素材には常にアンテナを敏感に張って、素材などの展示会などには足を運ぶようにしています。

自分のシートは多少問題があっても文句を言われるわけでもないし、それほど完璧主義者でもないので見て見ぬふりをする場合もあるのですが、そうは言っても素人目に見て問題があるようなところをほったらかしにするわけにはいきません。
今回は自分で作ったシート2個の気に入らないところを手直ししました。
先にも言ったようにウレタンは問題ないのですが、カバーのデザインが苦手です。一般的な冒険をしない定番のデザインというものはできるんです。
誰が見ても違和感を感じないもの。
でも、自分のシートを作る時は、普段お客様に提案しないことをして、正解なら今後お勧めするし、やっぱりだめならお客様の希望するカバーデザインに対して別の提案をすることができます。
今回は後者ですね。
やってみたけど、やっぱり気に入らないからという事で早速作業開始。
R100RS
座面にキルティングを入れて、その流れでサイドにも縫い目のアクセントを入れたらより一層重厚感が出ないかなと思ったけど、やはり邪魔なだけでした。

こっちのほうがいい。
座面にノーマル風な模様を入れてあるので、サイドはすっきりしたほうが座面の模様が生きてきます。
このシートの場合は座面をウルトラスエード、サイドをビニールレザーですが、こういう例もあります。
全体をウルトラスエードのみでカバーしたR100RSのシートです。
こっちも先のシートで違和感を覚えたサイドのつなぎが入っていますが、こっちは違和感をさほど感じません。同一素材なので多少切替がごちゃごちゃしていても、それが重厚感につながっているかなと思っています。

R100GSパリダカ
ここです。
一応狙ったものはあるのですが、詳しく書いても縫製を知らないとなんのこっちゃという内容になるので割愛。
とにかく、ここの角ばった部分がどうにもかっこ悪く見えてしまいやり直し。

やっぱりこっちがいい。
ステッチの幅が上と下と違うじゃないかという人もいると思いますが、これも試作みたいなものです。
このタンクの当たり面とか、良いねぇと自分で言いながら眺めています。
試したのもが気に入らなくて、それを手直しをしながらまた試す。良い物を作りたいので、結局自分のシートは常に試してばかりです。

今回座面に使用しているウルトラスエードは両方とも再利用しました。
高価な材料なので、お客様はその耐久性が心配になるところです。
なので、R100RSの座面は既に8,000kmほど使用していますが、まだ問題もないので、もうしばらく使ってお客様の耐久性の心配を実物を見て安心にかえてもらえればと思っています。
R100GSパリダカも同じく再利用です。お盆のツーリングでは雨に降られ、林道では泥に汚れたりしていますが、シートをガシガシ洗っても表面に毛羽立ち等は見られません。こちらも同じくしばらくこのまま使います。

ここからは余談です。
新しいプリント素材の耐久性も、かなり安心感をもって使用できるようになってきたので一度やってみたかった影文字をプリントしてみました。
遠くからは認識しにくいのは仕方がないとして、やってみたら案外いい感じだなと思ってます。

もう一つはシートとは関係ないけど、R100GSパリダカにタンクバッグを両サイドに付けたらどうかなと思い試作。
刺繍も入れてみた。
シートと同じで先ずはやってみようです。
絵を描いてそれで完成が想像できて、その通りに出来上がればいいのですが、大体その通りにならないので、凡人はやってみる。これしかありません。
片方付けて様子を見ようかなと思ったけど、バランスが悪いので反対側も製作。
こっちも刺繍・・むー-・・まぁいい。
タンクのトップにある小物入れはとても便利で、ここには常に使うものを入れて、両サイドのバッグにはそれ以外のものを入れます。
パニアケースまでつける必要がない近距離のツーリングはこれだけの収納があれば事足りる気がします。

シートもリニューアルしたし、小物入れもついたしでこれからのツーリングシーズンが楽しみです。

 

 

R100GSパリダカで夏休みツーリング

 

団体ツーリングが嫌いではないんだけど、普段から思い付きで行動することが多く、バイクで走るにしても思いつくままの走行なので、休憩を取らずに走るとか、道路脇の看板が気になればそっちに向かうとか、そんな落ち着きのない感じで気持ちも走りもふらふらしてるので、誰かと走ると申し訳ない気持ちになってしまうので一人が多いです。

今回の工程はざっくりこんな感じ。
一応目的は3つあって、伊根の舟屋を見る。津山でホルモンうどんを食べる。そして、讃岐うどんをできるだけ食べる。この3つです。

後は通り道で面白いものがあれば見る感じです。
初日は仕事を少し早く抜けて舞鶴まで移動。
2日目の早朝よりツーリング開始。

初めて見たけど、船のガレージ付き家屋かぁ。朝起きて下に降りればすぐに船に乗って漁に出られるなぁと考えつつ、朝の静かな時間に見学できたのもよかったです。
家の中はWi-Fiもあるだろうし最新家電も並んでるんだろうけど、外から見た感じは、ずいぶん前に時が止まったままのようでした。
鳥取砂丘はなんとなく道路から見えた気がしたので立ち寄りはしませんでした。
って言うか、鳥取って始めてきたかも。特に気になるものはないのでそのまま南下です。
お昼のホルモンうどんに間に合うように走ります。
しかし、そのまま主要国道走るのでは面白くないので、地図を見て未舗装路は無理でも山を越える県道を探して津山を目指します。
県道を走るとその地域の生活も少し見れて楽しいです。
そして津山に入り、事前に調べていた有名店へ。
オープン前にも関わらず既に十数人待ち・・・他を探しても面倒だし、待つことに。
ものすごい感動はないけれど、ホルモンは甘くて絡むたれも美味しい。
これで2個目の目的は完了。
そうそう、目的ってほどではなかったけど、うどん県に行くためにしまなみ海道を走ること。
随分前に走ったことはあるんだけど、その時は四国側から渡ったので今回は本州側から。
僕だけかもしれないのですが、同じ道でも走る方向が変わるだけで風景が変わって見えると思ってます。
半島を走るときもそうです。右回りと左回りでは景色の表情が違うと感じます。振り返って見る景色と急に現れる景色では感動も違ってくるんです。
人それぞれだけど、同じ景色も方向かえると新しい感動があったりします。
普段の生活では感動が少ないので、出かけたときに一つでも多くの感動が欲しいという欲張りな考えでなんです。
しまなみ海道走っていて目に入る風景は本当にきれいでした。
夕方の良い時間帯だったってのもあるかな。
ホテルに到着して少しバイクの調整。
エンジンは全く問題なく調子がいい。若干オイルの消費が早いかなと思うけど、足りなくなるレベルではない。
調整はテストもせずに交換してきたシフトペダルのラバーの位置。
どうも動作がしっくりこない。数ミリのことなんだけど高さ調整。
試走して感触が良かったのでこれで調整完了。

最終日。
まぁ一番の目的はこれと言っても過言ではない「うどんの日」
食べられるだけうどんを食べてみようの日です。
グーグルマップにはめぼしいうどん屋さんをピン止めしたけど、しすぎて選べなくなってしまった。
なので、早朝よりうろうろしつつ、開いてるうどん屋さんがあったら入ろうという事前調査もまったく無駄なやり方で食べていきました。
釜あげ 釜玉 かけ 冷ぶっかけ 冷ぶっかけに関しては昨夜の締めのラーメンの代わりに食べたやつです。
うどんも3杯食べたらもう無理です。
どれも美味しかったので幸せです。
実はうどんを二杯食べた時点でお腹パンパンでもう無理ってなり、しかし、時計はまだ8時前だったこともあり、ずいぶん昔に四国をグルっと回るラリーに何度か出た記憶がよみがえり、少し林道を走ってお腹をすかせてみるかなと山へ。
国道から県道へそしてそれらしい脇道へ入ってしばらく行くとこんな未舗装路にあたり、気持ちよくGSを走らせることができました。アドベンチャーバイクはこういう時に良いですね。オンロードでも距離を稼げるし、こうした道も気にせず入っていける。
しばらく遊んで、最後の1杯を食べ帰路へ。

そうそう、最近はテストテストとシートのことを考えながらではないのですが、やはり乗っていればお尻の違和感には敏感にならざるを得ず、今回は1,500km程度のツーリングで思ったのは、結局いつも自画自賛になってしまうのですが、本当にこの感触を味わってもらいたいなということですね。
ダカールスペックの加工を施したシートが、ユーザーにとって私と同じように感じるかは無理があるかもしれませんが、ノグチシートが製作するシートがこれと同じものである以上、自分が納得できているものを提供できているという安心につながります。
要はラリーやツーリングで自分が試して良いと思うものをお客様に提供できてるというだけでいいのです。

もう一つ。
これは偶然でしたが、雨の日は乗りたくないのでずっと雨を避けていましたが、今回はやられました。
しかも、ホルモンうどんを食べている時間だけにゲリラ的に雨がドバーっと来ました。
ウルトラスエードはびしょ濡れです。
手で拭ってもどうしようもないぐらい濡れています。
暑いけど仕方なくカッパのパンツだけ履きました。
それ以降雨は降らず、2時間半くらい経過したところでカッパがあまりにも暑くて脱ぎました。
座面は多少濡れていましたが、それほど気にならないレベル。
ホテルに着くころには座面も乾き、パンツも湿っていません。
これはウレタンの防水加工が施してあることが大きいです。
ウルトラスエードに保水するだけなので、乾きも早いんです。
蒸し暑い曇り空だったので時間がかかったけど、カラッと晴れてきたらウルトラスエードの水気を拭き取れば1時間足らずで乾くと思います。
湿った状態でウルトラスエードに座ると色の移行が少しくらいあるかなと思いましたがこれも皆無。
実験ではいろいろ試していたけど、今回こうして実体験としてウルトラスエードの乾きの早さや色の移行の無さが分かりよかったです。
写真ではウルトラスエードの座面が荒れているように見えますが、走行後に少し湿らせたタオルでシート後部から前に向かって毛並みをそろえるようになでると本来のきれいな座面になります。
この季節は特にビニールレザーだと蒸れが生じますが、ウルトラスエードは休憩なく数時間乗り続けても快適です。

そんな感じで、今回のツーリングは美味しかったし、良いもの見れたし、シートも良かったという事で夏休みの報告を終わります。

 

 

BMW R1250GSのシート改造

BMW R1250GSのシート
ご依頼内容は
フロントシート
1.衝撃吸収材T-NET
2.高さ変更なし
3.角削り
4.張替 ビニールレザー
「ちょっとですが近所をツーリングしてきました
角を落として頂いたので内股の違和感がなくなり快適です
足つきがちょっと良くなった気もします
長距離のツーリングが楽しみです
また宜しくお願い致します」
感想ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

R100GS Paris-Dakar GSパリダカのダブルシート

7連休も今日で終わりです。
休み中はうどん県に行こうかと思っていましたが、前半の雨と渋滞情報で行く気がそがれてしまい、近場のきれいな場所を見に行ったり、友人とラーツーしたり、空いた時間で自分のシートを作ったりと、ぼんやりする暇もなく良い感じで休みを過ごすことができました。

奥飛騨 北アルプス大橋からの眺め。 気温3度で寒かったです。

最近R100RSに乗っていなかったので・・。

いつもの林道を走ってみた。走れなくもないけど、軽快にとはいかないな。

岐阜のグランドキャニオンらしい。

いつものメンバーでラーツー。

そして、早く作りたいと思っていたこのシートの構想もまとまったので取り掛かることにしました。購入した時はシングルシートがついていたので、先ずはそれを改造してしばらくく乗っていました。このダブルシートも貰ったのでこっちも自分好みにシートに仕上げてみました。
このシートのカバーはウレタンやベースに糊付けされ、さらにプレートでカバーを押さえてブラインドリベットで留めてあります。まずはこれの取り外しです。
ブラインドリベットの傘をドリルでもんで、シートベース側に残ったリベットの足を取ります。
ノーマルの高さや幅の寸法を取り、この寸法から仕上げの寸法に対する削り量を決めます。
盛る量をノーマルより15mm高くする場合、衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンの積層分が約40mmなので、ノーマルを25mm削って40mm乗せて+15mmとします。
高さのみではなく、サイド部分も削って下図のように盛っていきます。

酷すぎる絵ですみません・・。
座面上部を真っ平に削って積層するとサイドに違和感が出ます。なので、サイドもテーパーに削って1層ずつ盛ってはテーパーに削りを繰り返してシートの形状を作っていきます。。
T-NETを底にするのか中間層にするのか、T-NETの上部に何㎜のオリジナルウレタンを積層するのか、それらはベースとなるシートのウレタンの状態や厚みによって決定します。
ウレタンの成形が終わったら、車体に取り付けて角度厚みなどを確認。

経年劣化で広がってしまったシートベースなどはヒートガンで温めて修正。
タンクとの当たり面は重要なのでしっかり確認します。
全て終わったら防水処理をして型取りです。
どうしようかな、こうしようかなとシートのラインを引いていますが、やはり作ってみないとわからないこともあるので、今までやってない切り替えのラインを見て見ることに。
気に入らなければまたやればいいし、こうして自ら実験をすることでお客様への提案もより良いものになっていくと思っています。
完成!!
まぁ普通にまとまった感じです。
座面にはウルトラスエードを使用し、その他は最近お気に入りのビニールレザーB-61。タンクパッドの質感にも近いのでバランスがいいです。
白のビニールレザーに黒のロゴでシートの厚ぼったさを少し緩和させたつもりです。
タンクとのチリもぴったり合ってます。
タンクとの隙間もなく気持ち良くフィットしています。
また、この先に張替をするので、ブラインドリベットではなくその穴を利用して10mm足のタッピングで固定しています。これでほぼブラインドリベットと同じ固定ができ、取り外しも楽なんです。
100点ではないけれどまぁ満足な仕上りです。
またがった感じはシングルシートとは少し変わっているので長距離が楽しみです。タンデムも同じように改造が施してあるので、タンデムソムリエを乗せて評価を聞くのも楽しみです。
とりあえず記念撮影に行ってきました。
こうして並べて見るとシングルシートのほうが軽快でパリダカマシンっぽいけど、ダブルシートもリアのバッグがあるおかげで変に間延びした感じにならずに重厚感が出て良いなと思います。
まぁ結論としては「どっちもかっこいい!!!」です。



自分で作るシートが世界で一番良いと思って作っているのですが、作るたびに課題は見えてきます。グリップのいいタイヤを自分で作ることはできないので購入しますが、乗り心地の良いかっこいいシートを自分で作れるのは贅沢だなと思います。こんなシートを購入したいというお客様がいる限り、クオリティの高いシートをお届けできればと日々研究と試行錯誤を繰り返しています。

ということで連休の宿題は全て終わった感じ。
明日からまたがんばろー。