バイクシート 張替えのデザイン




先ずは写真から。キャンディーカラーのブルーなヒョウ柄
それに合うシートが欲しいということで、ヒョウ柄!と言うわけにもいかず無難に黒のPVCレザーに太い糸でダイヤステッチとブルーのパイピング。
ベースはラペラのシートだけど、ノーマル形状がしっくりこないと言うことだったので気になる部分を補修してウレタン変更とT-NET挿入。
こうした外装の場合シートはあまり主張しないほうがいい。と言うのが私の意見です。
張替えの場合、気になるのがデザイン。
お任せの場合は当社の今までの経験とお客様の要望を合わせてデザイン案を2-3提出して選んでいただきますが、お客さまの方で既にデザインが決まっている場合は漫画を描いていただいたり、シートに直接書き込んでもらったりしてます。


切り返しが多くステッチの位置などを細かく記載していただいた例。

ここで色分けをしてほしいと、マスキングテープでマーキングしていただいた例。
このように直接シートにラインなどを入れていただくと、より理想に近いシートとなります。
オーダーの参考になれば幸いです。

バイクシート改造 アンコ盛り

「アンコ盛り」これも他にいい言葉ないかな。
さて、今回はアンコ盛りについて。
足つきは問題ないけど、座面とステップの位置が近いために膝が曲がりすぎて窮屈。
シートの高さはいいのだけど、シートの角度が前傾過ぎて知らず知らずのうちにお尻が前にずれてしまう。
タンデムシートの角度が悪いためにブレーキング時や長時間走行で前にずれてきてしまう。
アンコ盛りのメリットしては上記の問題の解決だけではなく、オフロード車などは高くすることによってスタンディングとシッティングを繰り返す時の運動量が減り結果疲労が少なくなります。
実際乗ってみるとわかるのですが、シートが高いと乗りやすく感じます。私だけかな。
走るシチュエーションにもよりますが、多少の足つきを犠牲にすることで今まで感じなかった乗車フィーリングが得られますよ。
昔のパリダカの写真です。
シリルヌブーやガストンライエなどは座面の高さなんて関係なく乗ってましたね。何かの本に座面は高いほうがいいんだって書いてあったような・・・まぁテクニックがあればのことかもしれないですけど。

ロードバイクの場合アンコ盛りと言うより角度調整的な盛りが多いですね。角度が悪いので着座位置を固定するために前を盛って後ろを下げるとかします。
最近増えたのが高速道路で二人乗り解禁に伴ってのタンデム時の不満です。
ブレーキをかけると前にずれてくる。普通に乗っていてもずれてくる。後部座席が悲しいくらい乗りにくくてお尻が痛くて快適なタンデム走行ができない。などです。
タンデムする人はライダーに比べて体重移動をする機会が少ないので、どっかり座っても疲れにくい形状を提案しています。
こちらにアンコ抜きも含めたユーザーレポートなど載せてます。
シートは張替だけではなく、形状と素材の変更で乗り方まで変わってくるパワーパーツとしてもっといろんな提案をしていきたいですね。

バイクシート改造 アンコ抜き

他に変わる言葉もないわけでもないがずいぶん前からシートのウレタンスポンジを削って低くすることをこう呼んでますね。
なんかいい言葉ないかなと常々考えてます。
足つき性を良くしてタチゴケなどの不安を解消したい。と言う依頼は多いです。
シートが薄くなれば足つきがよくなる。
確かにそうなんですが、この絵をご覧ください。

シート断面の形状が台形の物が多いので、単純に薄くすると幅は広がってしまい内腿への干渉が強くなって薄くなったのに足が出しにくくなってしまうことがあります。これが悪いわけではないのですが、低くする場合は基本的にシート幅もノーマルを維持するようにしております。
薄くするとこんな問題も出ます。

実際はこんな沈み方をしませんが、クッションに厚みがあればお尻をクッションが支えてくれますが、薄くなるとシートベースの硬さがお尻に伝わります。底付きですね。路面からの振動や衝撃、自身の体重などでお尻への負担は増すばかりです。
これについては当社オリジナルの加工。T-NETの挿入でかなり改善されますが説明はまた別の機会に。

絵はオフロードタイプですが、基本的にはロードバイクも同じような加工となります。
■ アンコ抜きについて
1 シートの高さは変えず足つきを良くしたい場合。
【メリット】
シート前部を細くシェイプすることによって足が出しやすくなり、シート幅が細いために車体に違い場所へ足を下ろすことができるため、ノーマルより若干足つきに安心感が出る。
ノーマル表皮を流用することができるため、比較的安価に改造費が抑えられる。
【デメリット】
大きな変化を望むことができない。
乗車位置が前よりなポジションを好む方は、この方法だと居住性が悪くなってしまう。
2 シートエンドはそのままに前に向かって角度を変える方法。
【メリット】
絵を見て分かるようにシートを薄くできるため足つき性は向上します。
20mm程度までのアンコ抜きであればノーマル表皮の流用が可能。
【デメリット】
大きく下げる場合は張替が必要になる。
ウレタンが薄くなってくると必然的にクッション性が落ちる。
前下がりのシート角度となるため、走行中自然に一番低い場所へ尻がずれてしまう傾向にある。
3 シート中央より後ろ部分を下げて段付にして下げる方法。
【メリット】
着座部を下げて、さらに前部も下げることで着座したままの位置で足つきが向上する。
後ろを下げることでシートの角度が地面と平行に近くなりポジションが安定する。
【デメリット】
張替が必要になる。
シート形状が段付になることにより体の前後移動の範囲が狭くなる。
このように一言でアンコ抜きと言っても色々方法があります。
足つき(アンコ抜き)と快適性と言うのは相反するところではありますが、それを両立させるためにお客様と蓄積された技術によって要望に限りなく近いシートにしたいと思います。

イベント

岩崎モータスの岩崎さんからお誘いを受けてバイクのイベントに出かけた。
場所は猿投アドベンチャーフィールド
ここは4輪駆動車の体験走行会をするところ。
普段はバイクで走れません。
今後ここでどんなことができるかなと言う実験的な意味もあって、今回のイベント開催となった。
レース形式ではなく、自分のバイクを持ち込んで自分の好きなように走る一日でした。
4WDのクロカンコースもあるのでトライアル的なセクションもあり楽しそうでした。

久しぶりな友人たちとたくさん話ができたし、お昼はみんなでバーベキュー

ノンアルコールビールで楽しく食事ができました。
のんびりほのぼのとしたバイクイベントもいいもんです。

バイクシート ウレタンのこと

良く聞かれること。
シートのウレタン(スポンジ、クッション材)は
硬いほうがいい?
柔らかいほうがいい?
結論としては、どっちでもいいんです。
となると話が終わっちゃうけど、お尻の大きさやシートの幅や角度、乗る時間、ソロなのかタンデムなのか・・・いろんなシチュエーションがある乗り方にコレです!というクッションは無いと言うのは正直なところです。
でも、柔らかすぎて沈み込みが大きくてシートベースにお尻の骨が当たったり、硬すぎて着座位置が安定しなかったり、シートの上で跳ねたりするのは良くないですね。
なので、先ずは乗る人の好み優先で柔らかさを決め、その柔らかさとシートの形状やシートベースの形状で硬めや柔らかめに変更すると言う提案をさせてもらってます。
さて、硬さをどうするかの前に一般的な市販車のウレタンがどうなっているか知っていますか?
モールド品と呼ばれる成形ウレタンで出来ています。
型の中にウレタンの原液を注入して発泡させる方法です。

モールド品の断面図です。
表面はスキン層と言われる部分で、被膜のようになっています。
スキン層のすぐ下あたりは写真ではわかりずらいかもしれないですが発泡の密度が高いです。
これは型の中で発泡して型の中で充填されると外側に圧力がかかり密度が高くなるのです。
アンコ抜きをするとシートが柔らかくなってしまった経験はありませんか?
それは、表面層の硬い部分がなくなってしまったからなのです。
最近は発泡不良品を見ることは少なくなりましたが、今まで大きな穴があいていたり、スキン層下の部分が硬すぎて割れた物など数多く見てきました。
当社でアンコ抜きをする場合は、削った後にスキン層の再生に近い形で防水コーティングを施すので極端に柔らかくなったりしません。

全面に貼り付けます。
当社が得意とするのはクッション材の積層です。積層する事によって薄いシートなら底付きしないクッションとなり、分厚いシートなら型崩れしない快適なシートを目指しているところです。
なので、アンコ抜きで薄くなったシートは防水コートしても底付きの恐れがあるので底付き防止にT-NETの挿入をお勧めしております。

コレを入れることで柔らかくても底付きせず、下の写真のように積層を重ねることで厚みのあるシートでも、さまざまな感触を作り出すことできます。

ちなみにオリジナルのスポーツスターシートの中身はこんな感じです。
厚み30mmのクッション材ながら硬さをあまり感じず長距離走行を可能にしてます。

とりとめの無い話になってしまいましたが、ウレタンはシートの要なのでまた書きたいと思います。