BMW R100GS ParisDakar ホイール交換

ヤフオクで見つけたこのR100GSパリダカを購入して1年半。
使用には全く問題ないけど、ずっと気になっていたスポークのさび。
リムの歪みも振れもなく、ベアリングのガタもなくそのままでもいいんだけど・・けどなんです。
一般的なスポークの張り替えなら何度かやったことがあるので問題ないのだけど、このバイクのクロススポークは何やら面倒そう。
せっかく張り替えるならリムもこんな感じにブラックにしたい。
最終形態はこんな感じに改造したいなとぼんやり考えるだけでした。

が。ネットで色々見ていたら、ある人のブログに「スポーク張り替えしました。ついでにリムもハブも色を塗りました」と、スポーク張りの難しさなどが綴られていて、やっぱり自分でやってみるかなと準備のために、またその方のブログを見たら「3セット目を組むことにしました。今度のは販売します」と書いてあった。
3セット目!!!趣味でそこまで?業者さんでもなさそうだし、その魅力的な販売価格もあり購入したい旨のメールをしたら、「いいですよ。これから組むので1か月ほど時間がかかります。気長にお待ちください」との返事でした。
さらに「家も近いので引取りに来ていただき、現物見てから購入するかどうか決めて貰って構いません」と連絡が来ました。

1か月後
出来上がった知らせを受けて引取り
おー--綺麗!
傷防止に養生もしっかりされていて、新品のステンレスのスポーク。フラットブラックに塗られたハブ。リムは艶ありでヌルっとしたいい艶をしています。
フロントホイールはベアリングも新品に交換されて、エアバルブは好みもあるだろうからと取り付けはされずに純正の新品が付属されている。
エアバルブはゴムに変えるつもりだったので、その気配りがありがたい。
「塗膜で若干リムの内側が厚くなったせいか、ビードが出にくいのでビードクリームはたっぷりつけて組み込んでください」とのことでした。
早速組付け。リアタイヤは友人がタイヤチェンジャーを持っているのでそれで難なく取り付け。
問題はフロントタイヤ。
手組・・・・
そのうち気にしなくなるだろうけど、やっぱり最初だけは傷をつけずに組みたい。
気休めの傷防止の治具を作って見たり、あれこれ知恵を絞りながら慎重に組付け。
ガリッっていう塗装を削る失敗もなく組付け完了。良かった。
ほうほう。新品のスポークの輝きもいい。
ハブのつや消しとリムのヌルっとした艶がすごくいいです。
いいね。いいぞ。すごくいい。



古いバイクだからアルミ色のままがいいとか、好みは色々だと思いますが、こうして自分のバイクに少しずつ手を入れて行くのは楽しいものです。

 

 

 

BMW R1200GSのシート

 

R1200GSのシート改造をデザイナーのアラカワシンイチロウ様より依頼されました。

このシートを購入されたオーナー様より写真をいただきました。





お客様より

この度は、シンイチロウアラカワさんとのコラボシート納品ありがとうございました。

アドベンチャーバイクのシート加工にあたりシートの生地は非常に悩みました。
野口さんの過去のブログを何度も拝見し、アルカンターラにしましたが
完成したデザインと素材感も含めて満足度が非常に高いです。また、肝となる”ウレタンT-NET”についても、ライディング時の疲労感の低減だけではなく
”  路面から伝わる情報量”も増えた気がします。(これもT-NETの効果??)

今まで以上にライディングを楽しめました。
シート前方部のくびれ加工?による”内ももの圧迫”もなくなり足つき性もよくなりました。
このオンリーワンのシートでGSライフを楽しみます。
ご満足いただけたようで安心しました。
この生地の組み合わせ、切り返しのライン、刺しゅうの位置や色、アラカワ様からの指示書を見ると緊張が走りますが、こうして出来上がってみると勉強になることがたくさんありました。
ありがとうございました。

R100GSパリダカでツーリング

梅雨はまだ明けないけれどたぶんいける。
という事で3連休をツーリングで楽しむことにしました。
僕にとっての旅と言えば「フェリー」なので宮崎行のチケットを予約。
昔、パリダカがヨーロッパをスタートしてた頃、フェリーに乗ってアフリカに渡り、アフリカに着いたフェリーから続々とパリダカマシン立ちたちが出てくるイメージ。いよいよ始まるぞ!ってあのシーンです。

神戸のフェリー乗り場でノグチシートに出会いました。
R100GSのお客様。シートの感想を聞くのは怖いけど、同じR100GSという事もあり声をかけてみました。
直ぐに野口と気づいていただきいろいろお話を聞かせてもらいました。
このGSは20万キロを超えて走っている。シートは8年前に作った。このシートにしてから夏場は蒸れないし、とても快適です。と。経年で色褪せてきたけど、破れの心配はまだないのでしばらくはいけそうです。ウレタンも触らせてもらったけど、変形もなく、へたりもなし。防水の剥がれもないので、張替えをしたら、また10年は使えそうです。
旅の始まりからこんなうれしい話が聞けて幸先がいいです。

バイクでフェリーに乗ると、昔はラッシングベルトでシートをギューーって締めて固定されていたけれど(今もやってるところはあると思う)今回乗ったフェリーも別のフェリーで旅をしている友人からもらった写真を見ても、シートを締め上げることはなさそうです。


これならシートが壊れることも無い。
今回対策を考えて行ったので、写真に撮ってブログネタにしようと思ったけど、その必要はもうなさそうです。

参考までに。こうしてシート締めあげてしまうとシートが即死する場合があります。改造シートでなくてもノーマルでも同じです。

 

フェリーは新造船の「たかちほ」という船で、船内は綺麗でシングルルームも快適なものでした。
13時間の船旅を終えて宮崎に到着。
今回の目的の一つに、大分の友人に会いに行くと言うというのがあり、観光は特になし。友人はちょっと体の調子を崩したので、会ってバカ話でもして来ようかなと。元気ない人に元気出せと言っても無理があるんだけど、少しの時間ラリーの話で笑えたらいいなと思って、少し寄るよと言ったら「昼めし食っていけ」となり、九時着のフェリーで大分まで行くとなると、まぁまぁ距離があるので、必然的に観光時間はなくなります。
フェリー乗り場からほど近いところにある、これもラリーの友人のベトナム料理屋さん。今日は博多で祭り見てる・・という連絡があり、今度来た時にスムーズにお店に行けるように場所の確認。

その後、東九州道(これが1車線でなかなかスピードが乗らない)を走って大分。
着くなり「おー食え!、肉一杯あるけん」てすっかり始まっていた。
食べて笑ってあっという間に時間は過ぎて、また遊びに来るよと言って今日のお宿へ。
ホテルの前のマンホールもこれなんだ。
やっぱり、押さえておかないといけない。

一人なので、話し相手はカウンターに座った一人旅の隣の女子ではなく、もっぱら携帯だったりします。岐阜の友人がソロツーリングで近くにいることが分かり、翌朝ごはんを一緒にすることになった。

朝5時50分 すでに暑い。
このドライブインみちしお。二十歳の頃軽自動車で九州1周した時の帰り道に寄ったんです。通りを挟んだ反対側の大きな駐車場にトラックが並んでいて、そこに岐阜ナンバーの軽自動車が偉そうにトラックに並んで駐車してるもんだから、警ら中のパトカーから警官が下りてきて職質された。それだけの事なんだけど、懐かしくて寄ってみたくなったんです。最近減ったドライブインだけど、ここは純ドライブインですね。24時間営業ってのもいい。
そして美味い!!!貝汁はもちろんホルモンうどんも最高。

朝ごはんに満足してから、お互いどこに行くのという話になり、僕は2号線を走りつつ思いついたところに寄ろうかなと言ったら、友人が「ここまで来たら 角島です! 絶対角島!」ここから約60キロほどあるけど、そこまで言われるならと向かいました。

これはいいわ。朝早いので誰もいないし、何より天気も良いし、この橋かっこいい。
ここは来てよかった。
海岸沿いを萩まで来た辺りで・・・暑い  暑すぎる・・
うどん県行こうかなと思ったけど、暑い
だいたいの目的は果たしたので、帰ろかな。帰ろう!
と、地図見ると
本州半分あるね。
ハートマークだらけですみません。美味しいお店などをピン立ててたらこんな風になってしまった。
走ったルートを地図に落としてみたら800kMだった。
帰りはひたすら高速を走りました。
暑くて気が遠くなりそうだったのでコレ
凍ったジュースをバンダナに巻いて首に巻く。
溶けたころに飲んで、また買って首に巻く。
これ物凄く効きます。嘘みたいだけどエアコン付けたくらいの快適さ。
でもこういうのが売ってないところもあり
さすがにこれを首に巻くことはできなかった。
ジャケットには脊椎パッドを入れるポケットがあったので、そこにこの凍ったペットボトルを投入。
とにかく脊椎冷やすと頑張れます。少し前にバリ島で熱中症になったときに、友人が冷たい水を買ってきてくれて脊椎にかけてくれて、割と早く復活できた経験からやってます。
朝5時から行動開始して夕方6時に岐阜着。
このGSパリダカ、暑い中でもずっと元気だった。フェリーで出会った20万キロのGSのようにずっとこれで旅ができるといいなと思います。
毎度のことながら自画自賛ですけど。
800km 丸一日座りっぱなしで、しわもなくパリとした状態なまま、暑いとか肩がこるとかあるけど、お尻の苦痛だけは無しで運んでくれるこのシートを作っている事が一番の幸せです。

一日余った3連休の今日は洗濯と整備とお仕事だな。

 

 

BMW R100RSのシート 3個目

 

自分のバイクシートを作るのは試作でもあるし、確認でもあるんだけど、同じもの作るのは面白くないし、なにより面白くないと手も頭も動きません。
それと自分で作るモノが欲しいと思えるのはすごく幸せだと思ってます。

RSを購入して3年目となり、今まで作ったアンコ盛りシートではなくてノーマル形状のシートだとポジションが低くなって乗りにくくなるかの検証をしてみようと思いました。

今乗っている15mmアンコ盛りのシートは乗り心地やポジション違和感はないのですが、厚みが増した分やはり厚ぼったさは否めない。
前に作った記事もあるので良かった見てください。
気になることは検証しないといけないので早速開始。
ヤフオクで落としたけど
結構腐ってる・・
ネジが生きているのが唯一の救い。

さびさびです・・
シートウレタンは2層構造になってるのですが、ボトム部のウレタンは柔らかい発泡ゴムなので撤去。

ちなみに、こんな感じのシートの改造依頼が来たら、それなりのコストがかかるので程度の良い中古を探すことをまずお勧めします。
もしくは社外品でも良いものがあるので、その新品を付けてもいいかと思います。

その部分に衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンを充填。
と言う加工写真があったはずなのに全部消えてる。
結構しつこく撮ったはずなのになぜないんだろう。
鉄のシートベースは歪んでいるし、凹んでいるし、腐って欠落してるので修正と板金加工。

いきなり防水コートの写真でごめんなさい。
シートベースは再塗装して、ウレタンはリフレッシュ。
形状はノーマルと同じ。
ライダー部とタンデム部の境もはっきり、タンデム後部の反り上がりもしっかり出ています。

デザインどうしようかなと、いつも通り線引いてばかりで進まない。
ノーマル形状だからノーマルの模様の再現でもいいけど、結局ノーマル風タックロールにしました。

タックロールを座面の7割くらいまでにしたけど、これでよかった。
タックロールは5mmの低いタイプで、ウエルダーで模様を付けました。
ミシンでタックロールを入れる方法が一般的ですが、フラットバーで溶着するタックロールもかっこいいです。

テールカウルとシートのくびれ部分の流れが綺麗に出ているので気持ちがいい。

生地はウルトラスエードにサイドは定番のB-08。半艶の革シボでごくごく普通のビニールレザーです。最近はウルトラスエードとビニールレザーのコンビがかっこ良く見えるので、そうしています。

このバイクは長距離を座ったまま走る事が多いので、これからの季節は特にウルトラスエードの蒸れ防止がありがたいです。水のしみ込みを心配する方は多いと思いますが、ウレタンには防水コーティングが施してあるので、表面が濡れるだけで思いのほか早く乾きます。

シートベースの板金修理のおかげで、タンクとのチリもきれいに収まってる。


こうして見るとノーマル形状もいいですね。
あとは乗り心地ですけど、長年の経験でまたがった感触から15mmアンコ盛りシートとさほど変わらない気がします。
メリハリのある形状は良いですね。
ベースはボロボロでしたが、10年以上は問題なく使えるシートに生まれ変わりました。

という事で走ってきました。
横から見るとタンクからテールかけての形状がかっこいいです。
やはり今までより低くなったので膝の窮屈さはあるけれど、直ぐに膝が痛くなるようなレベルではないかな。
タンデム部の立ち上がりにシートストッパーとなる部分が、私の身長だとちょうどいい場所になりお尻の収まりもいい。
アンコ盛ったシートの乗り心地は捨てがたいけど、ノーマルの厚みでも問題なさそうなのと、何よりこっちの方がかっこ良く見えます。

山の家の風景にも合うR100RS

今のシートで満足なら何個も要らないんじゃ?と言われたことがあるんだけど、1個作ってそれで満足してたらなんの発展もないんです。
疲れる、お尻が痛い、窮屈、色が変、カバーの切り替えがおかしい、などと満足しない経験をたくさんしないと良いものは作れないと思っています。

最近はたくさん自分用の思い切った失敗作を作ってきたおかげで、作ってからモヤモヤすることは少なくなってきましたが、それでも作るたびに「もう少し」が現れます。

その繰り返しによってノグチシートの精度が上がってきたのではないかと思っています。お客様に基本的な仕上がりの指摘を受けることはここ数年ありません。
乗り心地についてはやってみないとわからないのですが、概ね良い評価をいただいています。せっかくノグチシートに依頼してもらったんだから、その期待には高いレベルで応えたいと思っています。

R100GSパリダカ。修理後のツーリング

先日壊してしまったR100GSパリダカの修理が終わり、近所を軽く流した感じではもう問題はないだろうと勝手に結論付けて土日と早朝ツーリングをしてきました。
9時くらいになれば10度を超えるので、グリップヒーターが付いているこのバイクだと寒さは苦になりません。

土曜日は高速を使って早朝から営業のラーメン屋さんに行き、ぐるっと200KMほど走りました。菜の花がとてもきれいでした。
オイル漏れもなく走りに違和感もない。しかし、カンカンと打突音が気になる。
ヘッドカバーを開けてタペットを再確認するか、しかし、それはこの前やったばかりだし、そこまでうっかりな整備もしていないはず。
でも気になるこの音。
と、不意にエキパイを触るとカタッって動いた。エキパイを取り付けるフランジナットが微妙に緩んでる。
という事で、これを締めて解決。
日曜の朝は、その音が無くなったかを確認するためにまたお出かけ。

昨年、近所に支店ができた”ひもの食堂” お客さんの混雑も落ち着いただろうと伺ってみました。
ずらっと並んだひものを選んでカウンターへ。
定食にしますかと聞かれるので、お願いしますと返事。
ひもの代+定食(ごはん・味噌汁・小鉢)350円です。
朝ごはんとしては最高です。他にもおかずが色々あるのでまた行こうと思います。
お腹も膨れたし、気になった音はすっかり消えた。
寒くも無いので気分はとてもいい。なので、近くの林道へ向かいました。
ここは砂利が多くて滑りやすいけど、フラットで気持ちよく流せる林道なんです。枝道もあるしループになってて見晴らしも良い。4-5kmあるから走りごたえもありまります。
34リットルのガソリン満タンのタンクでこの車重。なかなか思うように走らせられない。飛ばさなきゃいいんだけど、気分が乗ってくるとどうしても頑張りたくなってしまう。
少し慣れてくると重さの事を考えずにちょっと冒険して・・結局Uターンするときにその重さでものすごく後悔する。
とは言え、やっぱりこのバイクはオフロードが似合う。
気分転換にかえたシングルシートもダブルシートの比べて軽快感があり見た目にもかっこいい。
2日で300km近く走って問題が出ていないので、変な整備しなければしばらくは問題ないかな。
これから始まるツーリングシーズンが楽しみです。

それと、念のためと言うか、心配性なので、万が一同じところが壊れたら大事になるためスペアのエンジン部品を買いました。
色々分解されて付いていない部品も多いですが、欲しかったのはこのケースなので問題なし。付属してきた部品を分解しながら眺めていると、最近OHしたんじゃないかと思う新品部品が付いていたので、なぜこれが売りに出たのか不思議。

変な音がするとか、イマイチ調子が悪いとか、油が滲んでるとか、今のバイクや車ではほとんど起きないことが40年近く前のモノとなると当たり前のように起きる。わざわざそんな手のかかるものに乗らなくてもいいのにと思う人もいると思いますが、それがまた楽しいんです。乗っても触っても楽しい。

R100GSパリダカを買ってちょうど1年経ちます。
しばらくはGSとRS2台で遊べそうです。