なんでもはるよと言ったものの・・・

椅子のデザインは好みだから、その話題は置いといてと。

この椅子。フィリップスタルクのデザイン。どこの国かわからないけどRoyal Monceau Hotelと言うホテルのために作られた椅子のようです。詳しくはここ→

革で張ってある。
しかも総包みである。
各部のRがきつく、なおかつレーシングシートのフルバケットのようになっている。
Rがきついと言うことはシワの逃げも少ないし、フルバケットであるため窪んだ部分はミリ単位の正確さでノリ付けが必要。 もちろん張り込みに関してもそう。革の繋ぎの少なさが、型取りの難しさを語っている。

画像クリックで動画サイトへ飛びます。

珍しくこの椅子の張りこみ作業の一部がビデオで紹介されていた。淡々と進んでいる作業だけど、正直これを真似しろと言われても今の当社ではできない。でも、やってることは同じなんだ。なでてなでて、ひたすらなでて、引張り、叩いて、革をなじませていく・・・この繰り返し。何喋っているかわからないけど、職人たちの目を見ていると自信に満ちていてかっこいい。

このホテルに行って椅子には座らずに、裏から下からとにかくこの椅子を一日眺めていたいです。こんな仕事がしたい。

 

 

クラタス  モリコロパークで、なんでもはるよ。

あのクラタスが、初めて工場を出て一般公開されました。

クルマ未来博2011で の展示です。まだ、搭乗して動き回るにはいたっておりませんが、完成前に少しお見せしますよと言う事でした。
そこで、シートを担当させてもらった事もあり(が、まだシートは作っていません)、隠したい部分の目隠し加工やコクピットの内装部分のレザー貼り付けなど のお手伝いをしてきました。

私が到着したときには、まだ外装部品の取り付けをしていたので自分の出番はありません。
なので、作業中のスタッフとお話。
そんな中、会ったことはないけど、「ハカセ」と一目でわかる人物を発見。ハカセは「なんでもつくるよ」ブログによく 登場する、今回のロボット制御のプログラマー。
そのまま白衣着て歩いていても、まったく違和感のない博士なオーラ。
年齢は私と20近くの差がある・・。
ハカセが忙しく配線作業をしている横で、ダラダラと喋る私。
なにげにハカセの手を見ると、驚くほど爪が長い。長いったら長い。気になる・・とても気になる・・・

・・・気になってしかたがない・・・・・・

「ハカセ、何でそんな爪が長いの?」我慢できずに聞いちゃいました。
「例えば、こんな作業をするときにピンセットで押さえるのが面倒なんです・・だから」
と、言いながら手渡された基盤を見ると・・(◎◎;)

何?ハカセ、これ一個ずつハンダ付けするの?隣との間隔1mmもないじゃない。
はいそうです。
って、ほんと細かいな。爪の先で押さえつけながらハンダを流す。爪が長くないと熱いし細かなところを押さえられない。しかも、爪の先を見せてもらったら配線何度も押さえたのでいい具合に溝までついている。まさに指先に工具がついている感じ。でもなぁ、爪長いなぁ・・・

そうやってみんなの邪魔をしながら時間が経つにつれて、外装もかなりついてきた。

取り付けた外装にはマーキングを施していた。
担当の人がいたが、特に私もやることがなかったので、なんでもはるよとお手伝い。

展示はトレーラーに乗せたままなので、トレーラーにも工場の名前をマーキング。
このロボットは量産する予定なので、量産はこの会社「水道橋重工」が請け負うのです。

左腕にランチャーを取り付けて、やっと私の出番。ランチャー以外の腕部分をカバーします。
倉田さんからこの相談を受けたとき、採寸してカバーを作るか、大き目のカバーでごまかすか色々考えたけど、腕は動くし突起物も当日まで何がつくかわからない。なので、ストレッチ性のある生地で腕を巻き、マジックテープで固定すると言う方法をとりました。
そう。たんなる「包帯」です。

さて作業です。

 

              巻きます
      なるべくシワのないように巻きます
    と言っても、腕は動くので余裕を持たせるためにシワが出るところもあります。
結構いい感じ!!! 100点とは言いがたいが、はり屋としての面目は保った。と思います。
腕を動かしても露出する場所もなく、もちろん破れることもなかったですね。
その後、内装のパネルをはりつけたり、外装にもレザーをはりました。暗くなって、手元が見えなくなるまで作業は続きました。
 寒くて時間の制約がある場所での作業で、スタッフは手際よく動き、ハプニングにもすばやく対応して、とても楽しく作業ができました。

本番は今日。もし時間のある方は是非モリコロパークへ。生のクラタスはロボットとしてのオーラはもちろん、作家「倉田光吾郎」創造力と造形力にも感動できると思います。

参考:http://gigazine.net/news/20110907_kuratas/

 

 

 

 

なんでもはるよ。 秘密基地に行ってきた!

なんと、まちわびていたその日が訪れました。初めてメールで連絡したのが5ヶ月前
倉田さんから先週メールが来て「シートやその他、相談があります」と書いてあった。
これは行くしかない!
チンクタンクスコープドッグ も見たい!何より、その本人に会いたい。
そうとなったら直ぐに打ち合わせ日を決めて行くしかない。
相談された宿題には一応の答えを出し、ダメ出しが出れば次の案と考えうる材料などを車に積み込んで、クラタスが作られている秘密基地へ向かった。

某県某所、指示された住所に目印はない。深い森のみ・・・携帯の電波も届いていない・・・たぶんここかなと入っていくが、人が住んでる気配もない・・・一度引き返して携帯の電波が入るところで電話をかけてみると「野口さんさっき引き返したでしょ?もう少し奥まで来てください」
えっ?あそこでいいの???

深い森が開けたと思ったら、そこにはクラタスの基地が建っていた。

なにやら外にはいろいろ置いてある。
ゴミ箱と一緒に置いてあるのは 何?武器?スコープドッグの?その後ろで抜け殻になってる赤いものは、ひょっとしてアレ?チンクタンク?部品取りとして、もう当時の面影はなかったです(ちょっと乗ってみたかったんだ)

さて、基地の中へ・・・・
おぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!
スコープドッグだ!!!!(といってもアニメを見たことがありません)

でかい!
その4mの 人型ロボットの迫力たるや、今までやWEBで何度も見ていたけど実物はすごい。
動かないのに動きそうなプンプン雰囲気が漂っている。
錆びた感じもすごくいい。
このフックのハンマーで叩いたよと言う感じがいい。
この力強いこぶしも好き。
スコープドッグで話が終わりそうにもないので、肝心のクラタスはと言うと。

ジャーーーン!って僕が作ってるわけではないのですが、これもでかい。
しかも、コクピットに・・・
乗ってるし!!!そりゃぁ笑みもこぼれるでしょ!他の写真はもっと笑ってるので、とりあえず唯一口を閉じてる写真。
しかし、これで興奮しないやつはいないでしょう。自分でも何を喋ってきたかよく覚えてないです。いまだに興奮してるのでこんな朝からブログかいてるわけだし。
コクピットのハッチが閉まるとハッチの裏には・・・・まだ試験運転中なので動かすことはできなかったけど、その操縦方法には正直驚いた。いずれ発表されるまでここでは控えておきます。
しかし、これが立ち上がって移動し、手を振り上げ、武器を操るんです。
相当な迫力ですね。
武器も見せてもらったがまたこの武器もイカしてる。世界が平和になる武器でした(^^)

早々肝心のシートの打ち合わせですが・・・・・・

                ?

いかんいかん。いかんですよ!シートが瓦礫と同化してるじゃないですか!
もっと大事に扱われるシートを作らせていただきます。
もちろん一日操縦しても疲れず、ハッチが開いたときに目にするシートでやる気になる、そんなかっこいいシートです。
まぁシートに関しては10分で話はまとまり、と言うか鉄のフレームの処理だけしてもらえれば 後はお任せください。と言うパターン。最低でも横倒しに置かれないシートには仕上げますよ(^^)
もう1つの宿題も、こちらの提案の材料で何とか急場をしのげそうで良かった。
こうした本気の人に納得してもらえる提案ができたということは、なによりも嬉しいことです。

そして、クラタスの完成形についての説明を倉田さんから聞く。
こんな優しい顔して、制作は一人でやりきってます。今回はロボットの制御プログラムをハカセと呼ばれる超一流のプログラマーが手伝っています。完成形の模型を組み立ててもらってます。
スタートはこの模型からだった。

よーし。なんでもはるよ。始動です。世界初。対戦型ロボ(量産予定)のシート製作です。世界初の対戦型ロボなので、世界初のシートです。言い切ったもの勝ちです。完成が楽しみです。これからのクラタスの動きから目が離せないです。

 

 

持参していったタタキツクルコトにサインまでしてもらって帰ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでもはるよ。

以前に倉田光吾郎さんが製作中の「クラタス」のシート協力を買って出たことを書きました。
あれから数ヶ月・・・

ずいぶん進んだようです。

いよいよシート打ち合わせに入ります。近日に某所にある秘密基地に行くのでワクワクします。
しかし、倉田さんとは今までメールだけで、まだ電話でも話したことがありません。
まぁそんなのは気にしないってことで :-)

倉田さんのHPの題が「なんでも作るよ。」なので、うちはこの件に関しては「なんでもはるよ。」で行こうと思います。

実物のスコープドッグを見るだけも価値はあるね。今度東京に行ったら、このピザ屋(聖林館)にも絶対行くんだ。

こんなワクワクするものつくりのお手伝いができるなんて嬉しいかぎりです。期待に応えるべく2-3日構想練らなきゃ。

キーホルダー

少し前に紹介した高周波ウエルダー
ビニールを溶かしてくっつける機械。
この機械を利用して、キーホルダーを作ります。

機械に当社のロゴマークが彫りこまれた判をセットします。温度と時間を調整して、本革に押し付けます。ヌメ革は焦げたようなマークとなり、黒のサドルレザーは変色はしませんが、しっかりとエンボスとなります。

厚みは6mmから2mmといろんな厚さの革が加工できます。ただし水分量などで条件が変わるので、まったくエンボスにならないものや、燃えちゃったりするものもあります。マークをつけたら、あとはひたすらカッターで切り分け、コバを塗り、磨き、穴を開け、リングを取り付けて完成。

デスクマットの透明な物で作るとこんな感じです。革もいいですが、透明なキーホルダーもかっこいいです。

この機械で、ほかに何かできないかな・・・。