HONDA CRF250Lのシート改造

CRF250L<S>のお客様からのシートの要望は大まかに以下の通りでした。

■T-NET挿入
■シートの形状、高さの変更なし
■シート表皮はウルトラスエードへ変更
■サイドにHONDAの白抜きロゴ
■タンデムベルトなし
■張り替えた表皮の返還
カバーに関してはCRF450R(もしくは昔のXR)をイメージしたブルーのカバーでとのご要望。
そして完成したシートがこちらです。

シートを装着して舗装路のみ少し走ってきました。久しぶりに乗りましたが以前と同じバイクだったか!?と思えるほど乗り心地変わりました。お尻への入力がとてもマイルドになりへんな滑りもなくなりました。その分足着きが1cmくらい悪くなりましたがお尻の位置が上がりポジションが良くなりました。来週あたり林道へ持ち込んでみます。とても楽しみです

林道に行ってきました。
早速林道に持ち込んで走らせました。ガレガレとハイスピードでしたがやはりお尻のへの入力は以前と段違いにやさしくなりブレーキングでお尻がずれないのも走りやすかったです。

ご満足いただけたようで安心しました。
ブルーのカバーがとても良い感じに車体に合っていると思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

HONDA CB750Kのシート改造

CB750Kのシートのご依頼を受けました。
この辺りの年式となるとシートベースは鉄で、ウレタンは赤ゴムだったりして、当社では手に負えない経年劣化をしている場合が多いのですが、今回はリプロのシートをウレタンもすべて改造するということで仕事を受けました。
奥様も後ろに乗るということで衝撃吸収材T-NETは全体に挿入。
バランスが悪くならない程度のアンコ抜き。
落ち着いた大人な感じの外観・・等々。打合せをしてまずはウレタン加工。
足つき性と全体の形状は問題なかったけど、タンクとの間の隙間が大きいので補正。
いつものざっくりした絵で申し訳ないのですが、タンクとの隙間埋めも限界があります。もちろん大掛かりな工作をすれば理想に近づけることはできますが、結局コストとの相談にもなります。
赤い丸で囲った部分にできる隙間は、ウレタンで埋めることができません。
この部分はカバーのテンションが大きくかかる場所でもあり、ウレタンで埋めたとしてもカバーを張るテンションで凹んでしまいます。
なので、下の絵のようにタンクとの当たり面の上部はウレタンで埋められますが、サイド下部はシートベースの形状のままの隙間が出ます。
このCBも同じなので完全にフィットとまでは行きません。

そしてウルトラスエードとビニールレザーのコンビで張ったシートが完成しました。

こうして見ると、それほど隙間に気が行かないレベルかと思います。


新車以上に磨きこまれたCB750Kにシンプルな切り返しのシートは派手さはないけど落ち着いた大人な感じでとても素敵です。
新しいシートで奥様と楽しいツーリングをお楽しみください。

 

 

エンボスロゴマーク HRC Honda Racing

HRCのロゴマークが今年新しくなりました。
なので、今までダカールシートに入れていたHRCのエンボスロゴマークも当然新しくすることになり製作しました。
良い感じというか、指示通りのものができた。
いままでのエンボスはこんな感じでした。
前のロゴも古さは感じないけど、新しいロゴをこうして並べると見慣れてないということもあり新しさを感じますね。
10年使った金型はこうして並べると年季の入った色になりました。

この金型は引退なのでしばらくここに飾っておこう。

 

CRF450L 何回目かのシートの張替え

節分も済んでいよいよ春!とはいかず今日は雪模様。
明日も雪の天気予報なので、バイクにも乗れずバイクをいじり始めてはみたものの、普段からメンテはしっかりしているつもりなので特にやることもないので、春になるということもあり衣替えとしてシートの張替えをしました。
買ってすぐに中身はダカールスペックにして、3年経っても形状ともに問題ないので張替のみです。多分これで5回目かな。
このシートで何キロ乗ったかな。何キロで張り替えたとか記録を取っていないのでよくわかりません。
いつも林道を頑張って走る乗り方なので、一般的なツーリングよりはシートに負担はかけたと思う。
このシートにはオフロードバイクではまず入れることがないタックロールを、実験的に高周波ウエルダーで入れました。
若干、型押しした端面にこすれは見られますが、破れにつながるレベルではありません。気になると言えば気になるのですが、なぜこれに入れたのかというと、ロードバイクのシートに同じように加工した場合に、結果がどうなるのかを早く見たくて、自分のシートに施したわけです。
ちなみにこれは同じ手法で加工したハンターカブのシート。
これは4000kmほど使っていますが、CRF450Lのシートで起きたこすれなどは全く起きていません。
タックロールの高さや、乗り方などで出るであろう問題は大体わかったというのもあり、今回の張替えはオーソドックスな張替えとしました。
プリントをして
ハイ出来上がり。
座面はウルトラスエード(アルカンターラ)の黒
サイド面はホンダ純正色のB-54

荒めのサンドペーパーのような表面模様です。
プリントもしっかり表面の凸凹に追従しています。
自画自賛ですが、かっこいい。
シンプルな配色のシートだけど、ジョニーキャンベルレーシングに頼んで入れてもらった、ジョニーの永久欠番11xのゼッケン入りのデカールと違和感なく合っています。
ビニールレザーB54の赤色もホンダのプラスチックにぴったり合っています。
なので、CRF250Lなども問題なく合わせることができます。

シートウレタンの改造は乗って自分で確かめないと、果たし今提供しているものが良いのかどうかも分からなくなってしまいます。
このバイクに限らず所有するバイクのカバーを頻繁に張り替える理由は、いろんなパターンで張ることでお客様の参考になればいいなという意味もあります。
少しでも改造の参考になれば幸いです。

 

 

 

2022ダカールラリーが幕を閉じました。


2022ダカールラリーが終わりました。
後半の追い上げが一歩届かず2位。
HRCの3連覇はなりませんでした。


優勝はGASGASのサム・サンダーランド
以前はHRCライダーで、その後KTMに移籍して優勝。
今回が2回目の優勝となりました。おめでとうございます。

昔友人が四国のラリーで1週間戦って数秒差で2位になったときに
「2位以下は負けじゃ!」と、きっぱり言い切ったのが今でも頭に残っています。


とはいえ、負けたから何もないとは言い切れないと思っています。

ダカールファンとして、NXRから始まるホンダファンとして負けは悔しいですが、ノグチシートとしては10年もの長い間ワークスチームにシートを提供した歴史が出来上がったし


その間に培ったシート製作のノウハウはどこにも負けないという自負もあります。

トップ10の中に4台のノグチシートがあるというのは、シート屋のみの目線で言わせてもらえば、10位以内に入るライダーの疲労を抑え、ライディングの補助をしたという結果だと思っています。上位10台のうちのシェ4割と言えば聞こえはいいですからね。大企業みたいです。


いずれにしても、ダカールラリーでトップ争いをするライダーがノグチシートを信頼してくれているという誇りがあります。

ラリー中にメカニックがシートを洗っている写真。
一瞬を切り取った写真ですが、シート屋から見ても丁寧に洗っている感じが写真から読み取れます。
勝つためのマシンはどの部品をとっても愛おしいものであり、繊細であり、美しくなければなりません。
レースが終わるまで最高の状態を維持するのも大事なことです。

2022ダカールは終わりましたが、また次を見てよいものを開発していきたいと思います。また、こうした過酷なレースで培ったノウハウを使い、レースに限らずノグチシートが作るシートはこれからも皆様に愛されるシートにしていきたいと思います。