BMW R100RSにOHLINS取り付け。

R100RSを購入してから1,000kmほど走りました。


お尻の心配は全然ないし、ブレーキの鳴きもまだ我慢できる。
もっとブレーキが効けばと思うけど、そこまで勢い良く乗るバイクでもない。
しかし、道路のギャップでドンッと来た時後に、少しグワングワンとバイクの挙動が収まらないのが気になる。
こんなものと言えばこんな物だろうけど、シートが快適ならさらに快適にならないかなと調べたら、やはりこれ
OHLINSのリアショック
リザーバータンク付きのほうが一般的みたいだし、国内ではそれしか売ってないようなので、海外のショップをちらほら眺めること数日。
リザーバータンクがあったほうが性能が高いんだろうけど、取付位置とかめんどくさいし、無いほうがすっきりだし、ラインナップに無しもあるってことはこれでも十分なんだろうとリザーバータンク無しを買うことにしました。
アメリカで言えばチャパレルのようなでっかいフランスのショップがよさそうだったのでここに注文。
そしたらこんな返事がきました。
当たり前なのかもしれないけれど、高級サスペンションを買ったことがなかったので、こうやって初期セッティングしてから出荷してくれるんだなと少し感動。
いや、聞くだけのアクションかもという勘繰りは人生をつまらなくするのでやめておく。
ちなみにノーマルのリアショックはこれ。
比べるまでもないけれど、見た目で100:1くらいの差がある。
しかもこのサスは65,000km使用されているので、そろそろお暇を出してもよい状態。
早速取り付け。
ネットで取り付け方法は見ていたので問題はなかったけど、どれも一様に「サブフレームに当たる」と書いてあった。
確かに当たる。
なので、5mm程度のワッシャー(ここであの旋盤使ってカラー作れよ、俺)を噛ませて3mm程度の隙間ができた。
ダークな車体に黄色のスプリング
かっこはいいんだけど、取り付けに関してまたも問題が
サスの両端の取り付け部の幅がノーマルより広い。
なので、図のようになってしまい、そのまま締め付けると具合が悪い。
ここで初登場のこれ。
少し前に譲っていただいたミニ旋盤とフライス。
やっと出番が来ました。目的がないのに練習ができないので、設置後もしばらくそのままでした。
今回はカラーが絶対必要なのでこれで作ります。
たったこれだけの部品ですが、この機械がないとできません。
いい感じにできました。
これで良いんだけど、今度はナットの掛かりが浅い。
これはどうしようもないのでロックタイトで固定。

でっかいブランドロゴが入ったバッグやジャケットを着る感覚ですけど、この黄色かっこいい。満足してます。
さて、どこかに走りに行こうかと思うけど、既に梅雨入り。
しかも梅雨明けは例年通りの予測???
これから2か月もぐずついた天気?
乗れないときはバイク触ってればいいので、次はキャブのOHでもしようかな。

 

 

 

BMW R1200Cインディペンデントのシート

R1200Cインディペンデントに乗られる方から以下のような問い合わせをいただきました。
シ-ト張替の目的は、最大限に低くしたいとの思いです。バイクに跨った時に、踵が6㎝浮いている状態です。年齢とともに筋力も衰え、あと何年乗れるか分かりませんが、踵がピタッと付いたらなとの願い夢です。カタログではシ-ト高74㎝で、一度アンコ抜きして2㎝程度低くなっていると思います。
御社のご経験からどの程度低くなるでしょうか、カバーはウルトラスエ-ドで、リヤシ-トにBMWのロゴマークの刺繍をと考えています、見積り納期等宜しくお願い致します。

既にあんこ抜きをされているということだったので、どこまで下げられるかは現物を見てから判断しますということでご注文をいただきました。
ライダー部には衝撃吸収材T-NETを挿入し、できるだけシート前部の幅を狭く足を出しやすく、かつ低くを狙いました。
生地はウルトラスエード(アルカンターラ)の黒でステッチは赤です。
赤のダブルステッチがとてもよく目立ちます。

張替えの目的であった足付きは、踵が6㎝浮いていたものが1㎝程度の浮きかと思います、サイドスタンドを使用したとき片足は宙に浮いていましたが、つま先立ちで両足が付きます。大満足です。なお、実走していませんのでシ-トの硬さについては分かりません。ありがとうございました。

第一の目的であった足つきに関しては、かなり問題が改善されたようで安心しました。
ご連絡の中に一つ質問がありました。
この部分の生地がウレタンから浮いているが、次第になじむのかと言う質問です。
ノーマルは矢印で示す部分がウレタン形状の凹に合わせるように糊付けされています。糊をつけないと生地が浮いてしまうからです。
しかし、糊付けはやがてはがれることもあり、当社では行ておりません。
この状態で生地は浮いております。
しかし、浮いた状態でもしっかりとした張り込みがしてあればシワの発生は起こらず問題なく使用はできます。
このシートに限らず、軽いバケット形状にシートは同じように生地が浮きます。
生地が浮いてシワが出ることは問題となりますが、そうでない場合は正常なのでご心配はありません。

BMW R100RSのシート

 

気になって昨年末に試乗してみた BMW R100RS
これが発売された当時はまだ免許も持っていなかったし、免許を取ってからはパリダカの影響もありR100GSやR80GSには興味を持ったけど、RSの頭でっかちのカウルやマシン性能などから気にもとめていなかった。



しかし、気持ちは変わるもので、ここに来てと言うかこの年になって、このデザインにやられてしまいました。
ハーレーのスポーツスターXL1200Sは10年ほど乗って、そのスタイルやエンジンの性格も気に入ってはいたのですが、スモールタンクということもあり航続距離が200km弱と少し長距離ツーリングには不安がありました。

そこで気分転換に買ったNC700Xが長距離ツーリングやタンデムツーリングにとてもよくできたバイクで、購入後半年で5,000kmほど乗りました。
また春になったら何処に行こうかなと思っていた時に、たまたまこのR100RSに出会って即決。
RSでもこんなことしてる人もいるし。
イメージはこんなジェントルな感じなんですけどね。
スーツで乗ることはないけど、まぁいいです。
本題です。

さて、購入したバイクは丁寧にオーバーホールされて、電装部品もすべて対策品に換装されているということなので、いつものごとくシートから改造です。
と言うか、納車までに時間があるのでシートだけ手に入れて先に改造です。

RSのシートベースは鉄でできていて重いです。
シートカバーはブラインドリベットで留めてあり、それをすべて外してカバーを外します。表面のエンボス加工の下地となるクッション材が、柔らかいウレタンではなくウエルダー用のPVC発砲シートで、これがシートウレタンにくっついてなかなかはがれません。
ウレタンとシートベースを分解するとこのようになっています。
硬めのシートウレタンのボトムに柔らかく弾力のある発泡ゴム(発泡PVC?)の2層構造になっています。
R100GSも同じような構造でしたが、ここまで大きく入っていなかった記憶です。タンデム部分にも十分なクッション性が持たせてあります。
それと、写真で赤い丸で示した部分ですが、これはブラインドリベットの足が当たっていたところです。
シートベースにしっかりと接着剤で固定されていたので、穴が大きく削れて広がっていません。当社のシートもシートベースには接着剤で固定するのですが、わずか1mmでも飛び出たタッカー針によって、経年でウレタンが1cm程度穴が開いているシートウレタンを何度か見てきてるので、やはりシートベースとウレタンの接着は重要だなと改めて思ったところです。
ちなみにシートベースに接着されず数年乗ったシートウレタンは、タッカー針のわずかに飛び出た足によって、ウレタンにこんなに穴が開いてしまいます。
ボトムのクッションの柔らかさが写真でも伝わるかと思います。
この部分は劣化が激しかったので、ボトムのクッションはそっくりノグチオリジナルウレタンと衝撃吸収材T-NETで作り直すことにしました。
ウレタン自体は大きなダメージがないのと、保管状況がよかったのか感触も問題ないので表層面を削り取って加工します。
シートの形状を作っているシートウレタンの厚みは薄いところで20mmあるかないかなので、シート形状を楽に復元できるレベルまで表面層を落とします。
ハイシートにしたいところですが、あまり高くすると低めのハンドルとのバランスが取れないので10mm程度のハイシートにします。
全面に10mmのオリジナルウレタンを貼ります。
R100RSのシートはサイドが立っているので、10mmのあんこ盛であれば、サイドを盛る必要はないと判断しました。
どんどん削ります。
一通り削って形を整えたので、いったんシートは養生してカバーのデザインを考えます。
絵を描いてあーでもないこーでもないとラインを引いてみますが結局決まらないうちに納車となりました。
実車に付けて見たほうが形状もこれで良いのか判断できるので、装着した比較写真です。
10mm増した分の厚み増は感じますが、タンクからの流れもいい感じなのでこのまま張り込みに移ります。
EVAで防水をしてから
シートに直接ラインを引いてまた悩む。
一番苦手なところなんです。かっこいい切り替えとかデザインって何だろう。
タックロールもいいし、切り替えが多いのも良いだろうなと思うけど、ひとまずプレーンな張替えで行ってみます。
生地はもちろんウルトラスエード(アルカンターラ)
このシートは比較的少ない7パーツで構成されます。
生地の毛の流れがあるので、その流れに合わせて型入れをします。当然のことながらロスが出てしまいますが仕方がありません。毛の流れを合わせないととても残念な仕上がりになるからです。
このシートは鉄のベースでタッカー針でカバーを留めることができないため、リベット留めです。なので張り込みが少々大変です。
張っているところの写真がなくてすみません。いきなり完成です。
近くで見ないとわかりませんが、後部のステッチにBMWのMラインのステッチを入れてみました。R100RSには関係ないだろうと言われそうですが、嫌いな配色でもないしまぁ良いかという軽いノリです。


違和感ないハイシートになったかなと思います。
地味と言えば地味ですが、案外このつるっとした感じもいいです。
言い換えると、タックロールや装飾がないのでシートの形状にごまかしができません。ほんの少しの違和感が、少しではなく結構目立つんです。だからこうしたカバーリングは腕の見せ所でもあります。(と、プロが自分で言うものでは無いですけどね)

と言うわけで、春になったらこれでまた旅に出ようかなと思います。
また、うどんの旅かな。
昨年から始めた長距離ツーリングの楽しみがより一層大きくなりました。
それと、NC700Xのシートを作った時にも書きましたが、今回も厳しいタンデムシートの評価があるので、試乗の時からその乗り心地を確かめてもらい、改造でもタンデムを重視した作りになっています。
旅の途中で壊れないように、壊れてもなんとかできるように、今からいろいろ触って勉強です。

続き

やっぱり少し地味かなと、ノーマルの座面模様を踏襲してもう一個作ってみた。

サイドはB-46のザラザラしたビニールレザーを使いました。
座面のウルトラスエードのタックロールがしっかり出るように硬い8mmのウレタンでモコモコ感を出してみたら、やはりこっちのほうがかっこいい。

 

シート加工依頼についてのお願いです。

ノグチシートのブログをご覧いただきありがとうございます。

現在、ノグチシートではシート加工は予約制となっております。

メールや当社での打ち合わせ後、その時点での予約可能日をお知らせしております。

納期については加工内容にもよりますが、予約日にシートが到着して3-4週間いただいております。

問合せのメールは随時受け付けておりますので、質問など遠慮なくお送りください。

直接、当社で打ち合わせを希望されるお客様は、事前に予約をお願いします。

BMW R100GSのシート

生産が終了して20?いや30年経つでしょうか。記憶が定かでなくてすみません。
僕の中のGSはやはりパリダカで、ガストン・ライエは言わずもがなですが、シェック親子、レイモンド・ロワゾーが乗る姿が目に焼き付いております。
そんなロワゾーさんにパリダカの車検場で会った時には感動して握手をしてもらいました。ガストン・ライエさんはバイクから引退後車で参加していた時に、ボルドーの田舎の綺麗と言えないホテルで偶然会ったのも良い思い出です。とても気さくな紳士でした。と、思い出話はこのくらいにして。

生産が終わって旧車になったけれど、まだまだ人気のあるBMW R100GS。
当社にも年間通して多くの改造及び張替の依頼が来ます。
R100GSのシートはシート屋にとっては、なかなか手間のかかるシートなのです。
カバーがリベットで固定されていたり、カバーがシートウレタンに糊付けされているため、剥がすとウレタンがボロボロになってしまい、それを綺麗にならすだけでも結構な作業量となります。
(当社ではウレタンにEVAシートで防水処理を施すため、ウレタンに凸凹があると表面にそのまま出てしまいます。小さな凸凹を隠すための薄い柔らかいウレタンを貼り付けるなどの加工は,着座時の感触も悪くなるのでいたしておりません)

今まで多くのR100GSの張替えをしてきましたが、基本的に色や素材(ビニールレザーかウルトラスエード)の違いはありますが、切替えのデザインはこのタイプに落ち着きました。耐久性や見た目など多くのお客様に喜ばれております。
当社としてはこのデザインが一番間違いないと考えてご提案する次第です。
もちろん、お客様のご希望のデザインも可能です。



当社では例外を除きウレタンにカバーを接着することがありません。
理由として、糊はやがてはがれてくるからです。ノーマルも部分的にはがれているものをたくさん見てきました。
また、当社では先端部にこのような切替が入ります。
理由はこの部分を1枚で張るとシワが発生しやすくなるためです。


張り込み方法はノーマルと同じようにリベットで固定です。

これらがノグチシートのR100GSシートのご提案です。
他社さんでは違う加工をされるかもしれません。それぞれの加工方法があるので、その一つの参考になればと思います。

当然ですが張替えのみならず、衝撃吸収材T-NETの挿入やアンコ盛り、アンコ抜きなどの改造も同時に行えます。
自分はこうしたいんだけど。と言う相談にも乗りますので、先ずはメールか電話でお問い合わせください。