ベスパP200Eの旅 

ノグチシートのバイクシート職人が愛車のベスパP200Eに乗って旅をしてきました。行った先は四国。

出発初日から土砂降りのスタート。そしていきなりカッパ全損で途中ワークマンで新調しての旅の幕開けだったそう。
職人の愛車 ベスパP200Eのシートは、ウレタンがダカールスペック、カバーはウルトラスエード。
5日間で約1,500km走破して、バイクシートが職人自ら乗ることで色々感じることができたようです。
やはり、疲れないことを自ら体験するというのは、ユーザーに対してもより良い提案の一つにつながるのではないかと思います。

なにより気の合う友人と旅ができると言うのは良いものです。
口ではいいねと言うものの、実際に旅に出る人は少ないと思っています。
たまたま計画した日程が天気が悪くても、それはそれで楽しいことはあります。
毎日の宿に着く日々の達成感はラリーに似てるものがあると思う。
小排気量車でトコトコ進む旅も写真を見ていいなと思ったり
そして旅と言えば
その土地のご飯


美味しそう・・僕もまた四国に行きたくなってきました。

四国と言えば国道439!
昔四国のラリーに出た時はこの国道に随分苦しめられました。
とにかく楽しい旅だったという報告が聞けて良かったです。

 

 

シートの防水:EVA防水シートの張り方 

通販で材料販売もしているEVAシート
社外品のシートカバーに張り替えたけど、水の浸水が心配なので自分でやってみるという方や、社外シートを買っては見たものの雨の後にシートカバーの縫い目から水がしみ出てきて気持ち悪いから防水コートを自分でしてみると言う方に購入いただいております。

ノグチシートでは極一部のシートを除き、ほぼ全ての加工にこの防水コートをしています。
当然張替のみの方にも同じように施工しております。
薄いビニールをかぶせた防水とは違う、利点が多い加工だと当社では思っています。
それについては以前のブログをご覧ください
自作派のために簡単に作業手順を説明します。
ある程度大きめにEVAシートを切っておきます。
スプレーガンはないと思うので、ヘラで薄く(本当に薄くでいいです)全体に糊付けしてください。
スプレーだとこんなレベルで全体に糊が付きます。
必ず両方の面に糊を付けます。
上面真ん中から貼り付けていきます。
前後左右徐々に伸ばしながら張り込んでいきます。
気を付けなければならないのは、EVAシート同士がくっつくとたぶんそこでゲームオーバーです。剥がせません。なので気を付けて、でも少し力ずくで伸ばしていきます。
陰で凸凹して見えますが、多少の凸凹はサンドペーパーでならすと平滑になります。
表面が貼れたら、全周をトリミングして裏側にも接着します。
この時気を付けたいのは、車種によってはシートベースに空気穴が無い物があります。シートベースに空気穴が無いと空気を通さないEVAシートを貼ったシートは風船のような状態なのでパンクしてしまいます。なので、空気穴がないシートベースの場合は5φ程度でいいので前から3つくらい穴を開けておくと良いです。
裏側に回して張り込み。余分なところは切りましょう。
これで防水コート完成です。

ノグチシートで製作し、10年以上使用したシートが張替で戻ってくることがありますが、EVAシートでコーティングされたシートが剥がれていたことはなく、当然ウレタンに水の侵入が無いので加水分解もそれほど進んでいない良い状態のものが多いです。

特に、アンコ抜きを自分でやるとわかるのですが、ウレタンの表面を削ると極端に乗り心地がフワッとする場合があります。
EVAシートを貼ることでそれを少し解消できる効果もあります。

 

 

カメラマン アレッシオのシート

イタリアのカメラマン、アレッシオから久しぶりに連絡が来ました。
彼とは2014のチュニジアで知り合い、その時に彼はKTM950ADVに乗ってコースを先回りして参加者たちの写真を撮っていました。
レース後に「シートのサポートをするよ」と彼に言って、ダカールスペックで作って送ったシート。

あれから約10年。彼の投稿を見る限りこのバイクで何度もラリーの撮影をして、シートも酷使されてきたと思います。
一般ライダーの数倍は過酷な状況でのテストになるので、ノグチシートとしても使用結果が気になるところでした。

アレッシオから届いたメッセージ
もうすぐトアレグラリーの取材に行くんだ。
とうとう破れたシートカバーを張り替えたんだけど、中のウレタンフォームは何ともない!
信じられない!
何年経ったんだ??

と、酷使されたウルトラスエードのシートカバーと張り替えたシートの写真が送られてきました。
10年経っても大柄な彼の体を支えていられるシートという事で、素材の確かさに安心するばかりです。
アレッシオ、これからも素敵な写真を楽しみにしています。

 

 

CABALLERO 500 Rally キャバレロのシート

キャバレロのシート依頼
ショップ様からの依頼で、お客様の依頼内容としてはこんな感じでした。

添付した写真1の左がノーマルで右がハイシートとなっておりまして
ハイシートを現在取り付けて乗っておられますがちょうど座面のアールがきつく長時間乗っていると股間部を圧迫してしまうのと
タンクの後ろ位に乗りたいのでもう少しハイシートにしてほしく、そちらを解消できないか?とのご依頼です

イメージとしてはお客様に書いて頂いたPDFの方をご参考にしていただければと思います。
表皮ですがノーマルと近いきりかえしで大丈夫です
座面をウルトラスエードのAP3 ダークグレー サイドをBK3 黒で
野口様のシートタグを右後ろ辺りに入れていただきたいとのことです
また座面はノーマルと同じようなタックロール加工も可能でしょうか?
シートの中身に関しても基本全て手を入れて頂きたいです。

打合せの結果以下の様にまとまりました。
シート形状はダカールスペック(衝撃吸収材+オリジナルウレタン)仕様にて、形状変更いたします、大幅なアンコ盛りとなりますのでシート前方サイドシェ
イプ・角丸目がお勧めです。カバー表皮は、ウルトラスエード仕様にて、デザインはノーマル同じとし、布タグ取付。ウェルダータグへの変更も可能です

【加工内容】
ハイシート加工
衝撃吸収材T-NET
アンコ盛り・サイドシェイプ
ウルトラスエード AP3/BK3
タックロール加工
布タグ(ウエルダータグに変更可)

そして完成した写真がこれです。

ショップ様とお客様より

お忙しい中早々の作成をありがとうございます。
お客様大喜びです。
ノグチさんにお願いして間違いなかった!と嬉しい言葉と笑顔をいただきました!!
また、別車両もお願いしたいとのお言葉も頂いておりますので近くお願いしたいと思っております。。
 
以下簡単ではありますがお客様から頂いた感想です。
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お世話になります。

シートの件では大変お世話になりました。

ありがとうございます。

シートの感想ですが、純正のハイシートでもシート前端部ではシートの取り付けのための差し込みの都合上スポンジの厚みは無く、ハンドル、ステップの位置から座りたいシートの前方に座るとどうしても振動やシートベースの堅さをもろに感じてしまう状況でした。今回、ノグチシート様に作成していただいたものは理想通り、タンクからシート後端までがほぼ平らになる使用のため純正ハイシートよりさらに前にも座れるようにもなり、スポンジの厚みもとれるようになりました。

シート高は上がりましたが、座面の工夫により足つきについてはハイシートと比べて悪くなる感じもありませんでした。シートのスポンジもただ厚みが増しただけでなく、コシもあり座って沈みすぎることもなく好感触でした。

また生地についても、見た目の良さだけではなく、滑ることがないため余計な疲れがなくなりました。

見栄えも、所有する喜びも格段に上がる機能美は最高です!!


ご満足いただけたようで安心しました。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

R100GSパリダカ。修理後のツーリング

先日壊してしまったR100GSパリダカの修理が終わり、近所を軽く流した感じではもう問題はないだろうと勝手に結論付けて土日と早朝ツーリングをしてきました。
9時くらいになれば10度を超えるので、グリップヒーターが付いているこのバイクだと寒さは苦になりません。

土曜日は高速を使って早朝から営業のラーメン屋さんに行き、ぐるっと200KMほど走りました。菜の花がとてもきれいでした。
オイル漏れもなく走りに違和感もない。しかし、カンカンと打突音が気になる。
ヘッドカバーを開けてタペットを再確認するか、しかし、それはこの前やったばかりだし、そこまでうっかりな整備もしていないはず。
でも気になるこの音。
と、不意にエキパイを触るとカタッって動いた。エキパイを取り付けるフランジナットが微妙に緩んでる。
という事で、これを締めて解決。
日曜の朝は、その音が無くなったかを確認するためにまたお出かけ。

昨年、近所に支店ができた”ひもの食堂” お客さんの混雑も落ち着いただろうと伺ってみました。
ずらっと並んだひものを選んでカウンターへ。
定食にしますかと聞かれるので、お願いしますと返事。
ひもの代+定食(ごはん・味噌汁・小鉢)350円です。
朝ごはんとしては最高です。他にもおかずが色々あるのでまた行こうと思います。
お腹も膨れたし、気になった音はすっかり消えた。
寒くも無いので気分はとてもいい。なので、近くの林道へ向かいました。
ここは砂利が多くて滑りやすいけど、フラットで気持ちよく流せる林道なんです。枝道もあるしループになってて見晴らしも良い。4-5kmあるから走りごたえもありまります。
34リットルのガソリン満タンのタンクでこの車重。なかなか思うように走らせられない。飛ばさなきゃいいんだけど、気分が乗ってくるとどうしても頑張りたくなってしまう。
少し慣れてくると重さの事を考えずにちょっと冒険して・・結局Uターンするときにその重さでものすごく後悔する。
とは言え、やっぱりこのバイクはオフロードが似合う。
気分転換にかえたシングルシートもダブルシートの比べて軽快感があり見た目にもかっこいい。
2日で300km近く走って問題が出ていないので、変な整備しなければしばらくは問題ないかな。
これから始まるツーリングシーズンが楽しみです。

それと、念のためと言うか、心配性なので、万が一同じところが壊れたら大事になるためスペアのエンジン部品を買いました。
色々分解されて付いていない部品も多いですが、欲しかったのはこのケースなので問題なし。付属してきた部品を分解しながら眺めていると、最近OHしたんじゃないかと思う新品部品が付いていたので、なぜこれが売りに出たのか不思議。

変な音がするとか、イマイチ調子が悪いとか、油が滲んでるとか、今のバイクや車ではほとんど起きないことが40年近く前のモノとなると当たり前のように起きる。わざわざそんな手のかかるものに乗らなくてもいいのにと思う人もいると思いますが、それがまた楽しいんです。乗っても触っても楽しい。

R100GSパリダカを買ってちょうど1年経ちます。
しばらくはGSとRS2台で遊べそうです。